@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00034054, author = {畠山, 公大}, issue = {5}, journal = {新潟医学会雑誌}, month = {May}, note = {当研究室では,これまでミクログリアに軽度の脳梗塞類似の刺激,すなわち低酸索低糖刺激(OGD)を加えることにより,ミクログリアを保護的な極性に変える技術を開発した. また,OGDミクログリアを,脳梗塞7日後に後遺症を有するラットに,動脈投与することで機能予後を著明に回復させることを示した.しかしながら,ミクログリアは成体から分離することが困難である.そこで,同技術のさらなる臨床応用を目指して,ミクログリアに類似した性質を持ち,簡便に取得できる末梢血単核球(PBMC)に着目した.OGD刺激を加えたPBMCが,ミクログリア同様,脳梗塞治療効果を有するかを検討した.ラット末梢血からフイコールを用いて,PBMCを遠心分離し,18時間OGD刺激(OGD-PBMC)あるいは18時間通常培養(Normoxic-PBMC)を行った.保護的極性の評価として,培養培地を用いて,強力に血管新生,軸索進展を誘導する血管内皮増殖因子VEGFのウエスタンブロッティングを行った.次に一過性局所脳梗塞モデルラットを作成し,脳梗塞7日後にOGD-PBMC,あるいはNormoxic-PBMCを投与した細胞投与21日後の標本でVEGFの免疫染色を行った.また,血管内皮のマーカーであるCD31,神経軸索のマーカーであるSMI31についても同様に免疫染色を行い,血管新生,軸索伸展の定量的評価を行った.さらに,コーナーテストを用いて,細胞投与後のラットの神経学的機能評価を行った.VEGFのウェスタンブロッティングでは,OGD-PBMCではVEGFの分泌が認められたのに対し,Normoxic-PBMCでは認められなかった. また免疫染色では,Normoxic-PBMC投与群に比し,OGD-PBMC投与群では虚血中心部辺縁で,VEGFの発現が亢進していた(p < 0.001).また,Normoxic-PBMC投与群に比し,OGD-PBMC投与群では虚血中心部辺縁・ペナンブラにおける血管新生,およびペナンブラにおける軸索進展が亢進していた(各p < 0.001).コーナーテストでは,細胞投与21日後に,OGD-PBMC投与群は対照群に比し,機能回復が認められた(p = 0.020).以上から,18時間のOGD刺激は,PBMCを保護的な極性に変え,OGD-PBMC投与は,血管新生,神経軸索進展を介して,脳梗塞後の機能回復を促進する可能性が示唆された.}, pages = {185--192}, title = {保護的末梢血単核球移植による脳梗塞に対する機能回復促進療法}, volume = {133}, year = {2019} }