{"created":"2021-03-01T06:40:25.525416+00:00","id":33983,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"35032a61-d21a-49d2-a28f-3fe119b9c6de"},"_deposit":{"id":"33983","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"33983"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00033983","sets":["453:455","468:563:564"]},"item_6_biblio_info_6":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicPageEnd":"108","bibliographicPageStart":"1","bibliographic_titles":[{}]}]},"item_6_date_granted_51":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2020-03-23"}]},"item_6_degree_grantor_49":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_name":"新潟大学"}]}]},"item_6_degree_name_48":{"attribute_name":"学位名","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreename":"博士(農学)"}]},"item_6_description_4":{"attribute_name":"抄録","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"アーバスキュラー菌根(AM)菌はほとんどの陸上植物と共生し, 菌根を形成する. この共生によって, 宿主植物は水分やリンなどの栄養を効率的に獲得し, 宿主植物の塩性や水分ストレスへの耐ストレス性が増加することが知られている. AM菌の荒廃地の植生回復や砂漠化防止への応用が注目されているが, AM菌の群集構造とその機能は気候や土壌などの環境要因と複雑な相互関係が存在することが示唆されている. このため, 宿主との特異性, 宿主の生長段階や季節性の変動, 環境条件に適応しやすい菌種などといった環境中の AM菌の生態の解明が求められている. そこで本研究では高ストレス下における AM菌について研究を行った. 研究Ⅰでは新潟県の海岸砂丘地植物における AM菌について調査した. 砂丘未熟土からなる海岸砂丘地においては特に表層において土壌 pH が高いという特徴を持つことが知られている. 新潟県新潟市越前浜海岸の海浜植物 10 種について夏期と秋期に試料採取をおこなった. トリパンブルー染色法をもちいて形態観察を行い, カヤツリグサ科のコウボウシバを除くすべての植物種で菌根が形成されていることを確認した. 菌根形成を確認した 9 種のうち, 夏期, 秋期とも高い菌根形成率を示したオニシバ以外の 8種では, 夏期採取試料では菌根形成がほとんど確認できないが, 秋期採取試料では菌根形成が豊富であるといった季節性の変動が認められた. またカヤツリグサ科のコウボウムギにおいても秋期の試料で AM菌の菌根形成を確認したが, カヤツリグサ科の多くが非菌根植物であるとされる. 同科の植物種でも環境要因によって限定的に菌根形成を行う場合があることも報告されている. コウボウムギの菌根形成に関与する要因が特定できれば興味深い. また, 植物根から AM菌 DNA を抽出し, 25 S rDNA に基づく分子系統学的な推定をおこなった. 結果, 本研究で対象とした海岸砂丘地は, Rhizophagus属と近縁な AM菌が優占していることが示唆され, 特に汀線に近い地帯で優占度が高い傾向にあった. Rhizophagus 属は比較的環境ストレスの強い土壌からの分離例が多く, 新潟県の海岸砂丘地において, 高 pH等の環境要因が選択圧となり AM菌の群集構造に影響を与え, その影響に耐性を持つRhizophagus属に属するグループが優占している可能性が示唆された. AM菌組成については季節性の変動がある可能性が示唆された. 植物の成長期において Rhizophagus 属の AM菌が主に菌根形成をしたのち, 他属のAM菌が菌根形成をし, AM菌組成の多様性が高まるという特徴があることが示唆された. 研究Ⅱではトルコ中央アナトリア地域の塩性アルカリ性土壌におけるオオムギ共生AM菌群集構造の特徴について詳細に調査した. トルコ共和国中央部は半乾燥帯であり塩害による土壌劣化が深刻な地域も多く, 修復技術の開発が必要である. トルコ中央部の塩性土壌環境に適した AM菌の探索とその土壌化学性との関係の解明を目的とし, オオムギ伸長期(4月)および収穫期(7月)に中央アナトリア地方の 8 圃場からオオムギ根を採取し, MiSeq を用いたアンプリコンシーケンスにて AM菌群集組成を解析した. 検出された主な共生AM菌は, 相対存在比の高い順にGlomeraceae科(伸長期:71.8%, 収穫期 :59.2%). Claroideoglomeraceae 科(伸長期 :10.3 % , 収 穫 期 :15.9%), Gigasporaceae 科(伸長期:9.1%, 収穫期:13.1%), Acaulosporaceae 科(伸長期:5.8%, 収穫期:7.7%)であり, AM菌群集の均等度は, 伸長期に比べて収穫期では有意に増加した. 相対存在比が最も高かったVirtual Taxon(VTX)であるVTX00248はRhizophagus属と近縁であり, 伸長期と収穫期のそれぞれ 25.8%と 14.7%を占めた. Rhizophagus属に近縁な VTXs の相対存在比は収穫期で減少する傾向があり, オオムギ生育の特に初期段階で菌根を形成することが示唆された. 土壌 CaCO3含有量は伸長期の AM菌群集のβ多様性に有意な相関を示したが, pHとECでは有意な相関は認められなかった. 判別分析の結果から, 11 の VTXs(Acaulospora 属, Claroideoglomus 属, Funneliformis属, Gigaspora属, および Glomus属近縁)は, 高CaCO3含有土壌でより高い存在比を示した. 高ストレス環境として対象とした研究Ⅰと研究Ⅱに共通して, もっとも優占していたAM菌として Rhizophagus 属近縁の AM菌種の存在が示唆された. Rhizophagus 属は, 湿潤条件, 硫酸土壌, 森林, 草原および半乾燥地域などのさまざまな環境でよく見られるAM菌である. 高 pH 等の要因が選択圧となり AM菌の群集構造に影響を与えることが考えられる環境下にあっても, Rhizophagus 属に近縁な環境に強い AM菌の存在が改めて示唆された. また研究Ⅰにおいては菌根形成率と AM菌種組成, 研究Ⅱでは AM菌種組成について季節性の変動が確認された. 特に AM菌の群集構造の変化として, 植物の生育初期においてRhizophagus 属の AM菌が主に菌根形成をしたのち, 他属の AM菌が菌根形成をし, AM菌組成の多様性が高まるという共通の特徴が認められた. 研究Ⅱでは土壌 CaCO3含有量と AM菌群集構造における相関関係が認められたが, その相関に関する報告は非常に限られている. 特に高ストレス下において AM菌群集構造に影響を与えうる, これまで着目されていなかった要因の一つである可能性が示唆された. 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