@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00033826, author = {峠, 弘治}, issue = {3}, journal = {新潟医学会雑誌, NIIGATA MEDICAL JOURNAL}, month = {Mar}, note = {【目的】主病巣が漿膜下層または胆襄床部筋層周囲の結合組織への浸潤に留まる胆嚢癌(pT2胆襄癌)に関して,肝臓側に主病巣の少なくとも一部が存在する胆嚢癌(pT2b胆襄癌)は,腹腔側にのみ主病巣が存在する胆嚢癌(pT2a胆襄癌)よりもリンパ節転移頻度が高いことが知られている.われわれは,このpT2胆襄癌の腫瘍局在によるリンパ節転移頻度の差は,正常胆襄壁において肝臓側の方が腹腔側よりもリンパ管の密度が高いことに起因しているという仮説を立案し,本研究ではこの仮説を検証することを目的とした. 【対象と方法】大腸癌肝転移に対して肝切除術とともに胆嚢摘出術が施行された10例から得られた正常胆嚢標本を対象として, リンパ管内皮細胞を特異的に染色することのできるD2-40モノクローナル抗体を用いて免疫染色を実施した.本研究では,胆嚢壁の肝付着部を肝臓側胆嚢壁,それ以外の腹腔側の胆襄壁を腹腔側胆襄壁と定義した.各々の胆嚢標本(N=10)より,胆嚢底部から胆嚢の肝付着部を通り胆嚢管に至る長軸方向の切片(肝臓側胆襄壁切片)と胆嚢の肝付着部を含まない胆嚢底部から頸部に至る長軸方向の切片(腹腔側胆襄壁切片)を切り出した. リンパ管密度(lymphatic vessel density: LVD)を200倍率1視野あたりのリンパ管の個数(個/mm^2と定義し,各々の標本においてリンパ管の密生度が高い部位(hot spot)5か所で評価した.肝臓側および腹腔側胆嚢壁(N=10)において,各々5か所のhot spot におけるLVDの平均値を算出し,これを個々の症例の肝臓側および腹腔側胆嚢壁のLVDとして統計学的解析を実施した. 【結果】肝臓側胆器壁におけるLVD(中央値22.7個/mm^2, 範囲11.1~ 32.6個/mm^2)は,腹腔側胆嚢壁におけるLVD(中央値6.2個/mm^2, 範囲3.1~17.4個/mm^2)と比較して有意に高かった(P=0.002, Wilcoxonの符号付き順位和検定).また,LVDの最大値(32.6個/mm^2は肝臓側胆嚢壁で記録された. 【結論】 ヒトの正常胆嚢において,肝臓側胆嚢壁には腹腔側胆嚢壁よりも多くのリンパ管が分布する.この事実は,肝臓側に主病巣の少なくとも一部が存在するpT2b胆嚢癌では,腹腔側にのみ主病巣が存在するpT2a胆嚢癌よりもリンパ節転移頻度が高いことを説明する明確な根拠の1つであると考えられる.}, pages = {119--125}, title = {正常胆嚢におけるリンパ管の壁在分布}, volume = {133}, year = {2019} }