@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00033817, author = {長谷川, 絵理子}, issue = {2}, journal = {新潟医学会雑誌, NIIGATA MEDICAL JOURNAL}, month = {Feb}, note = {Sphingosine 1-phosphate (S1P) は多彩な生理活性をもつ脂質メディエーターで,その受容体であるS1P receptor(S1PR) は広汎な臓器に発現しており, S1P-S1PR シグナルは細胞の生存,増殖,移動,細胞骨格再構築,細胞間接着など多くの細胞機能の制御に関与していることが報告されている.腎糸球体上皮細胞(ポドサイト)は糸球体の構造維持,透過性制御に最も重要な役割を果たしている細胞と考えられているが,ポドサイト機能維持におけるS1P-S1PRシグナルの役割は不明である.本研究では,ポドサイトにおけるS1P-S1PRシグナルの役割を解明するため,正常,並びにネフローゼ症候群モデルにおけるS1P関連分子の発現を検討したまた.S1PRの機能的アンタゴニストであるFingolimod のポドサイト保護作用についての検討を行った.正常ラット腎糸球体でS1P合成酵素であるsphingosine kinase(SK)1, S1Pの分解酵素であるS1P phosphatase 1, 2, S1P lyase, S1PR1, 2, 3, 4, 5のmRNA発現が観察され,培養ポドサイト細胞ではS1PR5以外のS1P関連分子のmRNA発現が観察された.微小変化型ネフローゼ症候群モデルであるラットPuromycin aminonucleoside(PAN)誘導腎症の糸球体でS1PR3, 4の発現が充進していることが観察された.また,培養ポドサイトにPANを添加した系でSK1, S1PR3, 4のmRNA発現が充進していることが観察された. PAN腎症ラットにFingolimodを投与すると蛋白尿が有意に減少し,同モデルで観察されるポドサイト機能分子の発現低下が抑制された.また,PAN添加培養ポドサイトで観察されるアクチンフィラメントの染色性の変化がFingolimod 処理により軽減されることを観察した.ポドサイト障害の進行にS1PRシグナルの充進が関与していると考えられた.Fingolimodは微小変化型ネフローゼ症候群の治療薬として有用な可能性がある.}, pages = {73--82}, title = {腎糸球体上皮細胞(ポドサイト)機能維持におけるスフィンゴシン1リン酸受容体シグナルの役割 : フィンゴリモドのポドサイト保護作用についての検討}, volume = {133}, year = {2019} }