@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00033815, author = {飛永, 雅信}, issue = {2}, journal = {新潟医学会雑誌, NIIGATA MEDICAL JOURNAL}, month = {Feb}, note = {【目的]様々な神経疾患や精神疾患で大脳皮質のγ—アミノ酪酸タイプA(GABA_A)受容体の分布異常が報告されている.特に前頭前野(prefrontal cortex; PFC)の重要性が指摘されており,PFC におけるGABA_A受容体分布の正確な評価が神経疾患の診断や病態評価につながる可能性がある.本研究では,GABA_A受容体分布の正確な評価のためには,年齢依存性変化を考慮する必要があるとの仮説に基づき, 20 歳代から50 歳代の正常被検者を対象として<123>I-イオマゼニル単一光子放射断層撮影(<123>I-Iomazenil-single photon emission computed tomography; IMZ-SPECT) を実施して得られたGABA_A受容体イメージングを用いて,PFC領域を中心に年齢依存性変化を解析し,全年齢層と年齢層別のIMZ-SPECT の正常データベース(normal database; NDB) を構築した例として,神経変性疾患患者をモデルとしてIMZ-SPECT評価を行い,IMZ-SPECTを神経学的疾患に応用する際に年齢依存性変化を考慮したNDBを適用する意義についても検討した. 【方法】21名の健常ボランティア(22-59 歳;平均38 士12歳)のIMZ-SPECTの画像データを立体的統計学的脳表投影法(3D-SSP)で解析し,正常データベースを作成した.また各脳表画像データをstereotactic extraction estimation (SEE) 解析により領城毎に計測し,若年群であるG_<20-39> (20-39 歳11 名)と中壮年群であるG_ (40-59 歳,10名)の2群の比較を行うとともに,年齢と相対的GABA_A受容体密度を意味する標準化IMZカウント値(各ピクセルのIMZ カウント値/脳(皮質)全体のピクセルの平均IMZカウント値)を用いて,各領城内のピクセルの平均の標準化IMZカウント値について線形回帰分析を行った.全年齢のNDB_<20-59> (n=21) および各年齢層別のNDB_20 (20~29歳, n=5), NDB_<30> (30~39歳, n=6),NDB_<40> (40~49 歳, n=5), NDB_<50> (50~59歳, n=5) を作成した.筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis; ALS) の患者1名(59 歳男性)に対してIMZ-SPECT を行い,標準化IMZ カウント値とNDB_<20>および年齢層にマッチしたNDB_<50>を用い,Brodmann Area(BA)毎の差を解析した. 【結果】脳の領域毎の相対的GABA_A受容体密度に対応する標準化IMZ カウント値を使い3D-SSP によって,2群間の比較を行った.Z>2の有意差のある領域を描出した中壮年群のG_<40-59>で,若年群のG_<20-39>に比べて標準化IMZカウント値が増加した領域はPFCの一部に認められ,標準化IMZ カウント値が低下した領城は右頭頂葉の一部に認められた.個々人のデータを用いてSEE解析を行い, Brodmann Area毎に,2群間比較を行ったところ,標準化IMZカウント値のBA毎の平均値は,若年群のG_<20-39>と比較して中壮年群のG_<40-59> の両側BA10, 11 および左半球BA47などのPFC の一部において有意に上昇し,右頭頂葉の一部などで有意に低下していた.回帰分析では,これらの領域における年齢と標準化IMZカウント値との間に有意な相関を認めた. 20歳代NDB_<20> を用いて59歳ALS患者に対してIMZ-SPECTを施行したところ,50 歳代NDB_<50>を用いた時と比べて,標準化IMZカウント値はPFCで過小に,右頭頂薬の一部で過大に評価された. 【結論】本研究は,PFCにおける相対的GABA_A受容体密度が年齢依存性に相対的に増加し,右頭頂薬の一部などで減少することを示した.本研究の結果から,IMZ-SPECTを神経疾患や精神医学的疾患の病態生理の評価に応用する際には大脳皮質の年齢依存性変化を考慮した正常データベースを選択する必要があることが示された.}, pages = {51--60}, title = {GABA_A受容体脳SPECTの正常データベース構築における大脳皮質の年齢依存性変化の意義についての研究}, volume = {133}, year = {2019} }