@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00033771, author = {山本, 豪}, issue = {11-12}, journal = {新潟医学会雑誌, NIIGATA MEDICAL JOURNAL}, month = {Dec}, note = {神経ステロイドである硫酸デヒドロエピアンドロステロン(Dehydroepiandrosterone Sulfate : DHEAS)は,脊髄において痛覚過敏作用があるが,その作用機序の詳細は明らかになっていない.本研究ではDHEASの脊髄後角ニューロンのシナプス伝達機構に及ぼす影響について明らかにするために,行動学的実験とラット脊髄横断スライス標本を用いたパッチクランプ記録法による電気生理学的実験を行い,シグマ1受容体やN-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体,ガンマアミノ酪酸(gamma-aminobutyric acid : GABA)_A受容体との関連を調べた.  ラットの脊髄くも膜下腔にDHEASを投与すると,von Freyフィラメントの機械刺激に対する疼痛閾値は用量依存的に低下し,その最大効果時間は15分後であった.また電流固定法によるパッチクランプ記録により,DHEASは脊髄後角第Ⅱ層ニューロンにおいて神経発火を増加させたことから,ニューロンの興奮が痛覚過敏として現れたものと考えられた.電圧固定法によるパッチクランプ記録により,DHEASによる微小興奮性シナプス後電流の頻度増加が認められたことから,DHEASには興奮性ニューロンのシナプス前終末からのグルタミン酸放出を増加させる作用もあることが分かったが,この反応はNMDA受容体及びシグマ1受容体に非依存的であった.DHEASによる微小興奮性シナプス後電流の増大は,NMDA受容体拮抗薬およびシグマ1受容体拮抗薬により認められなくなったことから,シナプス後膜のNMDA受容体やシグマ1受容体にDHEASが作用することが示唆された.微小抑制性シナプス後電流の頻度と振幅はともにDHEASにより減少したが,GABA_A受容体拮抗薬やシグマ1受容体拮抗薬を同時使用すると観察できなくなったことから,抑制性ニューロンのシナプス前終末からのGABA放出抑制作用とシナプス後膜のGABA_A受容体抑制作用がありそれにシグマ1受容体が関わっていることが分かった.  DHEASは脊髄後角ニューロンにおいて,シグマ1受容体やNDMA受容体,GABA_A受容体に作用し,興奮性シナプス伝達の増強と抑制性シナプス伝達の抑制をすることで,ニューロンを興奮させ痛覚伝達を増強すると考えられた.}, pages = {377--387}, title = {硫酸デヒドロピアンドロステロンは脊髄後角の痛覚伝達を増強する}, volume = {132}, year = {2018} }