@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00033713, author = {斉藤, 繭子}, issue = {7}, journal = {新潟医学会雑誌, NIIGATA MEDICAL JOURNAL}, month = {Jul}, note = {ノロウイルスは,5歳未満の乳幼児に重症の下痢症をもたらす主要な病原体の一つであるが,発見から50年近くたった現在でもその培養法や動物モデルが普及しておらず,ワクチン開発の基盤となる免疫学的研究には高いコストと技術が必要である.そのため,疫学研究を通して感染パターンを把握することは,ノロウイルス感染の特徴を理解する上で重要な意味を持っている.一般に,病原体がある疾病の発症にどの程度寄与している割合を推定する際には,症例と対照群における感染率をもとに算出するが,ノロウイルス感染においては,有症時から長期にわたり持続するウイルスの排出,獲得免疫や宿主因子の影響によると思われる不顕性感染が比較的多く存在し,流行地では対照群における不顕性感染率が高いという特徴がある.また,ノロウイルス感染は比較的高い頻度で同一宿主に繰り返し起こるが,これは,ノロウイルスに多くの遺伝子型が存在し多様性に富むとともに,それらが経時的に変化し,かつ獲得した免疫が遺伝子型特異的であるなどの原因が示唆されている.ノロウイルス感染の全体像の把握のためには技術的な課題が多くあるが,まだ未解明の要素が多い不顕性感染例や繰り返し感染例から臨床検体や疫学情報を得られるコミュニティレベルのコホート調査の意義は大きく,これらを駆使して感染実態を把握し,理解を深めることは,宿主因子やウイルスの病原性,免疫原性の解明へのヒントを与え,今後の予防策や研究開発に繋げられると考えられる.}, pages = {276--280}, title = {ノロウイルス疫学研究のつぼ (シンポジウム 新潟大学ミャンマー拠点(J-GRID)と振興再興感染症, 第728回新潟医学会)}, volume = {132}, year = {2018} }