@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00033425, author = {張, 正堃}, issue = {4}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Apr}, note = {【緒言】 膵島移植は血糖コントロールがきわめて困難な1型糖尿病患者に対して実施される細胞移植治療である.5年後のインスリン離脱率は約15%にすぎず,未だ十分な成績には至っていない.膵島移植の治療成績の向上のためには良好な動物モデルでの検討が不可欠であり,臨床に即した大動物モデルが必要である.今回われわれは慢性膵炎に対する自家膵島移植の手技に着目し,ブタを用いた膵全摘によるインスリン依存性糖尿病モデルおよび自家膵島移植モデルの作製が可能かどうかを検証した.さらに2型糖尿病に用いられるGlucagon-like peptide-1 (GLP-1) が自家膵島移植に与える影響についても検証した.【対象と方法】 15-25か月齢,体重9-25kgのブタを用いた.自家膵島移植に用いられる膵全摘の手技を応用した糖尿病モデルを作製した (n=4,糖尿病群).次に切除膵を用いた自家膵島移植モデルを作製した (n=4,膵島移植群).膵島分離はRicordi法に準じて行い,経門脈的に肝内へ移植した.さらに膵島移植にGLP-1を投与したモデルを作製した (n=4,膵島移植+GLP群).以上の実験群に対して,術後7日間経過観察を行い,生存率,空腹時血糖値の推移,術前,術後7日目の経静脈的ブドウ糖負荷試験による内分泌機能を評価した.また術後7日目に膵島移植群の肝生検を行い組織学的に膵島生着の有無を検討した.【結果】 糖尿病群,膵島移植群,膵島移植+GLP群の術後7日目の生存率はそれぞれ25% (1/4),75% (3/4),100% (4/4) であった.糖尿病群に比べ,膵島移植+GLP群では生存率が改善した (p=0.0404).糖尿病群において死亡した3頭の死因は,高血糖による脱水 (n=2) と腹腔内感染症 (n=1) であった.膵島移植群で死亡した1頭の死因は門脈塞栓であった.術後7日間の血糖値は糖尿病群で289.7±141.7mg/dlと高値であったが,膵島移植群では123.4±88.4mg/dlと改善し (p=0.0384),膵島移植+GLP群では67.4±23.8mg/dlと膵島移植群からさらに改善した (p=0.0118).術後7日目の経静脈ブドウ糖負荷試験では,糖尿病群の1頭は著明な高血糖を示したが,膵島移植群,膵島移植+GLP群では術前に比べ血糖値の増悪は認められなかった.膵島移植群の術後7日目の肝生検で門脈内に移植膵島の生着を確認した.【結論】 膵全摘によるブタ糖尿病モデルおよび膵島移植モデルの作製に成功した.GLP-1は移植膵島の耐糖能を改善する可能性が示唆された.}, pages = {139--149}, title = {ブタ自家膵島移植モデルの作製}, volume = {132}, year = {2018} }