@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00033408, author = {高橋, 奈央}, issue = {6}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Jun}, note = {【目的】咽喉頭異常感症とは「患者が咽喉頭に異常感を訴えるが通常の耳鼻咽喉科診察では訴えに見合うような器質的病変を認めないもの」と定義されており,器質的,機能的,心因性など多因子からなる疾患と考えられている.その診療においては悪性腫瘍など器質的疾患の発見が最も重要ではあるが,各種精査後も異常を認めない例では自覚症状に頼る診療とならざるを得ない.よって,様々な咽喉頭の自覚症状を訴える患者の中からできるだけ単一の疾患を持つ患者群を同定し,その重篤度を評価するためのアンケートが必要である.The Glasgow Edinburgh Throat Scale (GETS)は,Dearyらが考案したのどに関する一般的な症状10項目と症状による患者の苦痛度から成る問診票である.この問診票を用いて咽喉頭異常感症例の自覚症状を検討した結果,のどの症状は球症状(のどに球があるような感じ=globus sensation),嚥下困難症状,痛み/腫れ症状の3つのサブグループに分類された(主成分分析).咽喉頭異常感症例では3つの中で特に球症状で高いスコアを示し,患者の苦痛度と相関していた.これらよりGETSの球症状は咽喉頭異常感症を検出し,また重症度も評価できる有用な問診票であることが示された.今回我々はGETSを日本語に翻訳し,その信頼性と妥当性を検討した.【方法】1か月以上つづく咽喉頭異常感を主訴に当院または関連6病院外来を受診した55症例に対しGETS-J(GETS和訳)を用いて自覚症状を検討した.また,咽喉頭異常感症に合併することが多いうつ・不安に関してHADS : Hospital Anxiety and Depression Scaleを用いて評価した.問診票の信頼性(reliability)はCronbach係数αを用いて検定し,妥当性(validity)はDearyらの報告と本研究の結果の類似性を検討することによって検討した.【結果】Cronbach α係数はすべて0.8以上を示し,高い信頼性が証明された.主成分分析ではDearyらの報告と同様に3つのサブグループに分類されたが,球症状の問診項目と痛み/腫れ症状の項目が一部入れ替わっていた.球症状は苦痛度と有意に相関し,また,不安も苦痛度と有意に相関していたが,不安と球症状は相関しなかった.これらの結果は,英語版のGETSと同様の結果であり,GETS-Jの妥当性が証明された.【結論】GETS日本語版であるGETS-JはGETS同様,高い信頼性と妥当性を示した.GETS-Jの球症状と苦痛度は高く相関しており,GETS-Jの球症状が咽喉頭異常感症の同定と重症度の評価に有用であることが示唆された.また,不安は咽喉頭異常感の原因ではないが苦痛度を増悪させる因子であることが示され,抗不安薬を用いた咽喉頭異常感症の症状緩和が可能であることが示唆された.}, pages = {217--222}, title = {3 咽喉頭異常感症について (シンポジウム 耳鼻咽喉科領域における心身相関,第726回新潟医学会)}, volume = {132}, year = {2018} }