@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00033407, author = {野々村, 頼子}, issue = {6}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Jun}, note = {耳鳴とは,「外環境から音刺激の欠如した中で音を受容すること」と定義されている.小林一茶は「夜の霜 耳はしんしん 蝉の声」,石川啄木は「遠方に電話の鈴なるのごとく 今日も耳鳴る 悲しき日かな」と耳鳴の苦痛を詠んでいるが,彼らから約100~200年経過した現代でさえ,本邦では未だ約300万人以上の患者が耳鳴の苦痛に悩まされている.耳鳴は,音源が体内に存在する「他覚的耳鳴」と音源が体内に存在しない「自覚的耳鳴」の2種類に分けられる.「他覚的耳鳴」は筋肉や血管に由来する音源が体内にあり,他者が聴診器やオトスコープなどで聴取できることが多く,原因の特定は比較的容易である.しかしながら,耳鳴患者の大部分を占めるのは「自覚的耳鳴」であり,これは体内に音源がないゆえ原因を確定することが難しい.加えて,症状の把握は本人の自己申告に頼る部分が大きく,診断や評価にも苦慮する.耳鳴の治療についても,これまでステロイド製剤,ビタミンB_<12>,ATP製剤,漢方などが用いられてきたが,特効薬がないのが現状であった.しかし,近年,耳鳴の病態解明が少しずつ進むとともに,耳鳴と不安,抑うつなど情動の関連が報告されるようになった.それに伴い,治療法についても新たな選択肢が増え,指示的カウンセリングと音響療法を組み合わせて行うTinnitus Retraining Therapy : TRTが考案され,代表的な治療の一つとなっている.また,薬物治療としては,抗うつ薬治療などが一定の効果を示す報告も散見されるようになってきた.本稿では耳鳴の発生機序と心身相関,治療を紹介するとともに,現在,われわれが進めている臨床研究の一端を紹介する.}, pages = {213--216}, title = {2 耳鳴について (シンポジウム 耳鼻咽喉科領域における心身相関,第726回新潟医学会)}, volume = {132}, year = {2018} }