@misc{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00032020, author = {笹川, 泰司}, month = {Sep}, note = {Dipeptidyl peptidase-4 (DPP-4) 阻害薬は血糖改善作用だけでなく、それには依存しないアルブミン尿の減少などの腎臓保護効果をもたらす可能性が示唆されているが、腎近位尿細管へ及ぼす影響も含めその詳細は未だに不明である。我々は以前から、近位尿細管管腔側に発現するメガリンに着目し、その尿中排泄量の測定法を開発するとともに、それらが糖尿病性腎症において腎障害を反映する新しいバイオマーカーとなり得るかを検討してきた。今回、糖尿病性腎症1~3期の2型糖尿病患者113名に新規にDPP-4阻害薬であるシタグリプチンを追加し、使用前後で血糖、血圧、腎機能、尿中C-メガリンをはじめとした近位尿細管関連の尿中バイオマーカーに及ぼす影響を前向きに調査するとともに、アルブミン尿の減少を予測する因子の検討を行った。結果は、開始12か月でHbA1cおよびeGFR (推算糸球体濾過量) は有意に低下したが、尿中アルブミン/クレアチニン比 (ACR) には有意差がみられなかった。シタグリプチンによるアルブミン尿改善効果の要因を検討するため、12か月後の尿中ACRが20%以上減少していた群とそれ以外の群を3か月時点で比較したところ、12か月後の尿中ACRが20%以上減少する予測因子は、3か月後の尿中α1-ミクログロブリン/クレアチニン比 (α1-MG/Cr) の有意な減少であった。α1-MGはメガリンのリガンドであるため、尿中α1-MG/Crの減少は近位尿細管機能の改善ということだけでなく、メガリンの再吸収機能が回復したことを示唆している。さらに、尿中ACR、α1-MG/Crが減少した群で尿中C-メガリン/Cr量が不変であったことから、メガリンのタンパク再吸収機能の回復が近位尿細管での代謝負荷には結びついていないことを示唆していると考えられた。2型糖尿病症例において、シタグリプチン開始3か月後に尿中α1-MG/Crが減少することは、血糖および血圧とは独立して、12か月後の尿中ACRの減少を予測する因子であった。今後、より詳細な検討を行い、DPP-4阻害薬による近位尿細管への影響に関連した腎保護効果を明らかにしていく予定である。, 学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 甲第4494号. 学位記番号: 新大院博(医)甲第831号. 学位授与年月日: 平成30年9月20日, 新大院博(医)甲第831号}, title = {2型糖尿病患者(腎症1期~3期)におけるシタグリプチンの有用性についての観察研究 : Januvia study on renal biomarkers and blood pressure (JUMP study)}, year = {2018} }