@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00027108, author = {長尾, 雅信}, journal = {新潟大学経済論集, 新潟大学経済論集}, month = {Mar}, note = {和紙は古来より日本社会の生活に深く根ざし,独自の文化を支えてきた。しかし,日本社会の洋式化が進むに従い和紙の需要も減退し,原料の一つである楮の生産は現在,危機に瀕している。国内の楮生産量はこの三十年で15%ほどに落ち込んだ。楮栽培の主な担い手は70~80歳代の後期高齢者という状況にある。それに応じ,楮の原料商はタイ,中国,パラグアイなどから輸入を増やしており,海外産の楮によって数量確保がなされている。但し,各国ともに経済発展の影響による生産コストの上昇などにより,今後も安泰とは言い難い。 いまひとつの課題は,楮の皮たくりの人手不足にある。楮の甘皮をはぐこの作業は,和紙の風合いを出す重要な工程であり,その分手間がかかる。これまで多くの産地では,地域コミュニティに支えられて行われていたが,限界集落化に見られるようなコミュニティの衰退によって,人手が集まらない状況にある。 和紙需要の低迷,動物による楮の食害,楮加工の多大なる手間に鑑みると,農家にとり楮栽培は収益源として魅力がなく,抜本的な対策が取られないままでは新たな担い手は見込めない。CSV(Creating Shared Value)運動から,楮流通を含む和紙文化の支援において企業の役割にも期待がかかる。}, pages = {37--49}, title = {和紙原料の流通状況とその諸課題}, volume = {102}, year = {2017} }