@phdthesis{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:02001060, author = {Zhu, Bin}, month = {2023-07-26, 2023-07-26}, note = {CSF1Rの遺伝子変異を原因とするCSF1R関連白質脳症は、ヘテロ接合体変異を原因とする常染色体顕性(優性)遺伝性のadult-onset leukoencephalopathy with axonal spheroid and pigmented glia(ALSP)と、常染色体潜性(劣性)遺伝を呈し、両アリル性変異により生じるbrain abnormalities, neurodegeneration, and dysosteosclerosis (BANDDOS)に分類される。ALSPは成人期に発症するのに対し、BANDDOSは小児期に発症し重篤な臨床像を呈する。CSF1R関連白質脳症の遺伝子変異の大部分はCSF1Rチロシンキナーゼ領域に存在する。チロシンキナーゼ領域に存在するCSF1Rミスセンス変異は、リガンド依存性に誘導されるCSF1Rの自己リン酸化を消失させ、チロシンキナーゼ活性の喪失がALSPの病態機序の一因として考えられている。本研究はCSF1R関連白質脳症の分子病態機序を明らかにするために、リガンド依存性CSF1Rの自己リン酸化、CSF1Rのヘテロ2量体形成、変異型CSF1Rの顕性阻害効果について検討した。ALSPで報告されている顕性型バリアント、BANDDOSで報告されている潜性型バリアント、良性型バリアントを選抜し、発現コンストラクトを作製した。培養細胞にCSF1Rバリアントを一過性に発現させ、リガンド依存性に生じるCSF1Rの自己リン酸化を検討した。野生型CSF1Rではリン酸化CSF1Rが検出されたが、顕性型バリアントを発現する細胞では、リン酸化CSF1Rは検出されなかった。潜性型バリアントを発現する細胞では、リガンド刺激によるCSF1Rのリン酸化は減弱しているものの部分的に残存していた。良性型バリアントでは、CSF1Rのリン酸化は保たれていた。CSF1Rのリン酸化の程度は、CSF1R関連白質脳症の表現型と相関した。野生型と変異型CSF1Rを共発現させた実験では、両者のヘテロ2量体形成が示唆された。次に野生型CSF1Rを安定発現する細胞に、過剰な変異型CSF1Rを発現させ、顕性阻害効果を検証したところ、野生型CSF1Rのリン酸化の減弱は認めず、顕性阻害効果は否定的と考えられた。以上の結果から、CSF1Rのリン酸化を介したキナーゼ活性は、CSF1R関連脳症の臨床表現型と関連することが示唆された。, 新大院博(医)第1113号}, school = {新潟大学, Niigata University}, title = {CSF1R関連白質脳症の分子病態メカニズムの解明}, year = {} }