@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:02000664, author = {平島, 正則 and Hirashima, Masanori}, issue = {7}, journal = {新潟医学会雑誌}, month = {Jul}, note = {リンパ管系は血管系と密接な位置に存在し,末梢組織で盲端から始まる毛細リンパ管(起始リンパ管)と,リンパ液の運搬路となって心臓の近くで静脈に繋がる集合リンパ管で構成されている.発生過程において,リンパ管内皮細胞はProxlなどの転写制御因子に依存して頸部静脈の内皮細胞から分化する.静脈から遊走してリンパ管網を形成する際には増殖因子VEGF-C,ケモカインCxcl12,反発因子Semaphorin 3Gなどが重要な役割を果たす.末梢組織内でリンパ管が血管と吻合せずに独自性を保つ機構としては,受容体CLEC-2およびシグナル伝達分子Syk,Slp76,PLCγ2に依存した血小板の活性化が重要な役割を果たす.リンパ管の機能的側面としては,毛細血管から組織内に出たタンパク・細胞や余剰な組織間液を吸収・運搬することで,体液恒常性維持・免疫応答・脂質吸収・異物除去などに関わっている.リンパ節郭清を伴う手術によって体液恒常性維持機構が破綻するとリンパ浮腫が生じる.胎生期のリンパ管発生巽常は,妊娠初期の超音波検査でNT肥厚と呼ばれる項部浮腫や小児のリンパ管奇形の原因となる.リンパ管は正常な免疫応答を惹起するために重要である一方で,臓器移植片拒絶に対してはリンパ管新生を抑えることが有効である.生体内高分子である脂質の吸収や異物としてのアミロイドβなどの組織内からの除去において,リンパ管が重要な役割を担っている.リンパ管の機能と疾患との関連について興味深い知見が数多く報告されており,今後の研究の展開が期待される.}, pages = {105--110}, title = {リンパ管の発生と病態}, volume = {135}, year = {2021} }