@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00013586, author = {北村, 秀明}, issue = {10}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Oct}, note = {3テスラ超高磁場システム下で,拡散テンソル解析にラムダチャート解析を適用することで,統合失調症の軸索回路異常の有無とその病態を解明することを目的とした.外来通院中の統合失調症患者6名(平均31歳,男性,右利き)と,年齢,性別,利き手,両親の教育歴をマッチさせた正常対照者6名(平均32歳)を対象として用いた.先行研究の結果を確認するために,まずfractional anisotropy(FA)を算出し検討したところ,正常対照と比較して統合失調症では,前頭葉白質のFA値が有意に低かったが,頭頂葉白質のFA値に違いはなかった.さらに生体内拡散を二次元上で評価する新しいアルゴリズムであるラムダチャート解析では,正常対照と比較して統合失調症の前頭葉白質では,軸索と平行する拡散を反映するλ_Lと軸索と直交する拡散を反映するλ_Tの双方が有意に大きかったが,頭頂葉白質では有意差なかった.以上の結果から,先行研究で見出された前頭葉白質のFA値の低下は,λ_Tがλ_Lと比べてより増加していることによると推測された.またこの結果は,ピクセルごとの拡散測定であることを考慮すると,ピクセルに占める軸索容積が減少していると考えると合理的に説明でき,それを説明する可能性として軸索密度や軸索径の減少があげられる.その原因は明らかではないが,発達段階にあるヒト脳では,統合失調症と同様な軸索方向に依存しない水分子拡散の増加が知られている.したがって,軸索容積の減少は,軸索回路網の発達不全に由来し,この構造的機能的に粗雑な情報処理系が,思春期における統合失調症の発症脆弱性を形成する可能性が考えられる.}, pages = {575--586}, title = {統合失調症における前頭葉軸索回路の成熟不全 : 超高磁場磁気共鳴画像法による拡散テンソル・ラムダチャート解析}, volume = {117}, year = {2003} }