@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00013018, author = {西川, 伸道}, issue = {8}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Aug}, note = {子宮内膜症は婦人科疾患でも多く見られる疾患の一つであるが,その病因,進展機序などは未だに統一した見解が得られていない.そこで,今回私はDNAマイクロアレイを用いて子宮内膜症組織と正常子宮内膜を比較し,遺伝子の発現レベルがどのように変化しているかを検討した.対象サンプルは患者より同意を得られた子宮内膜症の増殖期5例,分泌期4例,正常子宮内膜の増殖期5例,分泌期4例の手術摘出組織とした.方法は,各組織よりmRNAを抽出・精製し,cDNA合成,cRNA合成を経た後,DNAマイクロアレイにハイブリダイズさせた.そして,マイクロアレイ上の既知の約12000遺伝子について,月経周期別に子宮内膜症と正常子宮内膜間について比較した.統計解析は,T検定で群間差がP<0.05かつ両者の発現レベル比が3倍以上のものを有意とした.解析の結果,正常子宮内膜の月経周期間(増殖期,分泌期)の比較では,月経周期に依存して123遺伝子が有意な発現差を示した.一方子宮内膜症では月経周期に依存して37遺伝子が有意に変化を示し,著明にその数が減少していた.そして正常子宮内膜群と子宮内膜症群に共通して月経周期間で発現差を認めた遺伝子は,そのうち1遺伝子のみであった.さらに,正常子宮内膜と子宮内膜症の比較では,294遺伝子が有意な発現差を示した.これらの遺伝子を機能別に分類すると,細胞増殖因子やアポトーシス関連因子,癌関連因子など癌化に関係する因子の発現が38遺伝子(12.9%)認められていた.今回の結果,子宮内膜症では,月経周期に依存する遺伝子発現変化がほとんどなく,また正常子宮内膜とは全く異なる遺伝子プロファイリングであった.加えて,発現変化した遺伝子には癌関連因子などの遺伝子が多く認められていたので,子宮内膜症は遺伝子レベルで見る限りにおいて腫瘍的変化を伴う組織である可能性が示唆された.}, pages = {411--420}, title = {子宮内膜症の類腫瘍的変化 : DNAマイクロアレイを用いた子宮内膜症の遺伝子発現解析}, volume = {118}, year = {2004} }