@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00012880, author = {小村, 悟}, issue = {10}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Oct}, note = {【背景】先天性QT延長症候群(LQTS)は,QT間隔の延長とTorsades de Pointes (TdP)などの重症不整脈により失神や心臓性突然死をきたす症候群で,心筋脱分極または再分極過程にかかわるイオンチャネル,あるいはその調節蛋白をコードする遺伝子の変異によりLQT1からLQT6に分類される.今までに数多くの遺伝子異常が報告されてきたが,今なお,個々の症例における不整脈の発現の頻度などに関して不明な点が多い.【方法】先天性LQTS 21名(男性9名,女性12名)を対象とした.末梢血の白血球よりgenomic DNAを抽出した.LQT1, LQT2, LQT5およびLQT6のexonに対してprimerを設計し,direct sequence法にてsequenceの同定を行った.解析の結果と臨床症状の比較を行った.また,LQT1群とLQT2群の2群間における各種パラメーターの比較を推計学的に検討した.【結果】LQTS患者21例中14例(67%)でLQT1の遺伝子変異が見出された.6例はT587Mで,そのうち1例は,KCNQ1: P448RとKCNE1: D85Nの2つのSNPを合わせもち,5例と比較して臨床像に特徴が認められた.これまでに報告のない遺伝子変異が5例で発見された.このうちI313KとD611Yは荷電が変化する異常であった.1例でスプライシングエラーによる遺伝子変異であった.LQT2は4例(19%)で遺伝子変異が発見され,うち3例は新しい遺伝子変異であった.そのうちの2例はフレームシフトによる変異であった.LQT1とLQT2の平均年齢は18±12歳と27±13歳,心臓性イベントの初発年齢は,それぞれ12±14歳と25±14歳で有意差はなかった.QT間隔/QTc間隔は,LQT1: 495±58ms/514±51ms, LQT2: 549±39ms/512±75msでいずれも差は認めなかった.【考察】21例中7種類もの新しい遺伝子変異が見出されたことは,LQTSは多様な遺伝子変異によって生じる疾患であることが示された.今までの報告では,変異によるアミノ酸の極性や荷電について言及した報告はほとんどなく,新たに発見されたLQT1: I313K, D611Y, LQT2: G601D, E63fs/16は,荷電の変化を伴う変異を認めることから,チャネル機能に大きな変化がもたらされる可能性が考えられた.今後,機能解析を進めて異常チャネルの病態を明らかにする必要がある.【結論】先天性LQTS患者21例の遺伝子解析を行い,7種類の今までに報告のない遺伝子変異を含む18例(LQT1 14例, LQT2 4例)において遺伝子変異を明らかにした.}, pages = {525--534}, title = {先天性Long QT症候群の遺伝子解析}, volume = {118}, year = {2004} }