@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00012795, author = {諏訪, 通博}, issue = {12}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Dec}, note = {【背景】近年,骨髄由来細胞が様々な臓器の細胞に分化することが報告され,障害臓器に対する骨髄由来細胞を用いた再生治療への応用が期待されている.一方,骨髄由来細胞の腎構成細胞への分化については,一致した見解は得られていない.このような見解の相違は実験モデルの違いや動物種の違いに起因する可能性もあるが,骨髄由来細胞に対する各種マーカーの同定法の相違,その手技の困難さなど,技術的な問題も大きく関係していると考えられる.今回,われわれは腎障害時の修復過程における骨髄由来細胞の役割を研究する目的で,Enhanced green fluorescent orotein(EGFP)Transgenic Rat(EGFPラット)を用いて,骨髄由来細胞の細胞局在を明らかにする最適な同定法について検討した.【方法】EGFPラットの未固定凍結切片と4%パラホルムアルデヒド固定凍結切片,さらに,生体顕微鏡を用いて,EGFPラットの最適な観察方法を比較検討した.次に腎障害時の修復過程における骨髄由来細胞の役割を研究する目的で,EGFPラットの骨髄を,致死量放射線照射を行った野生型ラットに静注し,キメララットを作成した.骨髄が完全に置換された骨髄移植5週目に60分の腎虚血(虚血群)または,擬似手術(コントロール群)を行った.腎機能が回復した2週後に,実時間型レーザー走査生体顕微鏡を用いて,腎皮質を生体内観察した.さらに4%パラホルムアルデヒドで漂流固定を行い10μm凍結切片を作成し,骨髄由来細胞の細胞局在を明らかにする最適な同定法について比較検討した.【結果】EGFPラットの凍結切片による観察は,EGFPの強い水溶性のために,4%パラホルムアルデヒドによる固定が必要であった.生体顕微鏡による生体内観察は,尿細管間質微小血管周囲の詳細な観察が可能で,組織切片による観察では困難であった血管内皮細胞の局在も確認できた.キメララット腎間質のEGFP陽性骨髄由来細胞の細胞局在についての比較検討では,コントロール群で,尿細管周囲間質に散在するEGFP陽性骨髄由来細胞を認めた.4%パラホルムアルデヒド固定凍結切片と生体顕微鏡の所見は,ほぼ同様であった.一方,虚血群において,EGFP陽性骨髄由来尿細管同質浸潤細胞,EGFP陽性骨髄由来血管内皮前駆細胞を認めた.凍結切片の観察では.EGFP陽性骨髄由来血管内皮前駆細胞はわずかの頻度しか認められなかったが,生体顕微鏡を用いた生体内観察により,多数のEGFP陽性骨髄由来血管内皮前駆細胞が確認された.【考察】実時間型共焦点レーザー走査生体顕微鏡を用いることにより,骨髄由来の尿細管間質浸潤細胞,および血管内皮前駆細胞の同定が可能となった.従来のパラホルムアルデヒド固定凍結切片の観察では困難であった.EGFP陽性骨髄由来血管内皮前駆細胞の局在が明らかとなり,血管再生機構を解析するうえでの本法の有用性が確認された.}, pages = {682--693}, title = {実時間型共焦点レーザー走査生体顕微鏡を用いたEnhanced Green Fluorescent Protein(EGFP)陽性細胞の同定法}, volume = {118}, year = {2004} }