@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00012516, author = {小澤, 拓也}, issue = {6}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Jun}, note = {【背景】骨髄単核細胞移植治療(BMI)による血管再生療法は重症下肢虚血に対して有効性が示されているが,さらなる治療成績の向上が望まれる.BMIで虚血組織に移植される成分は血管前駆細胞およびサイトカイン産生細胞を含有する.このうち赤芽球は遊走能をもたず,従って正常骨髄組織では液性因子を分泌し恒常的に新生血管を赤芽球島へ誘致することで末梢血液へ供給されることが推測される.この性質を利用しBMIにエリスロポエチン(EPO)投与を併用することで移植片に含まれる赤芽球を活性化し血管再生効果を増強することを目的とし,赤芽球によるin vitroでの血管新生効果を検討した.【方法と結果】ヒト血管内皮細胞と線維芽細胞の共培養を行い,血管腔形成を観察した.これにヒト末梢血から作製した赤芽球コロニー(BFU-e)を添加したところ,BFU-eを中心に集族した血管ネットワークの著しい形成がみられ,骨髄造血における赤芽球島への新生血管の誘致が再現された.この作用はEPOの添加により増強した.BFU-eはVEGFとP1GFを産生していた.白血球系コロニー(CFU-c)にはこれらの作用は見られなかった.次にヒト骨髄細胞の血管新生因子産生を浮遊培養系で測定した.骨髄単核細胞はVEGFとP1GFを産生したが,主な分泌細胞は赤芽球であり,非赤血球系細胞による変生は弱く,特にP1GFは赤芽球のみが分泌していた.この作用はEPOの添加でさらに増強した.【結語】赤芽球系細胞はVEGF(内皮増殖)とPIGF(平滑筋増殖)を産生することで血管新生を誘導し,EPO添加によりその効果が増強することが示された.臨床応用として,EPO併用BMI治療は移植局所において赤芽球によるサイトカイン分泌を増強することで臨床効果を高める可能性が示された.}, pages = {350--358}, title = {赤芽球造血による血管新生作用 : 血管再生療法の治療成績向上を目指した基礎的研究}, volume = {119}, year = {2005} }