@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00012021, author = {鎌谷, 大樹}, issue = {8}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Aug}, note = {齧歯類の大脳皮質一次体性感覚野には,ヒゲの一本一本に対応したバレルとよばれる構造がある.齧歯類にとってヒゲからの情報は重要なものであり,神経活動依存的回路発達のモデル系としてバレル構造は注目されている.一般に感覚情報は視床を経て感覚野のIV層へ投射されるが,視床から皮質への情報伝達の特性をスライス標本で選択的に解析することは難しい.今回私はマウスの視床と皮質の両方を含むスライスを調製し,視床を刺激したときの皮質神経活動をフラビン蛋白蛍光イメージング法で可視化した.神経活動が起こると,細胞内Ca^<2+>濃度の上昇に伴いミトコンドリア内でエネルギー代謝が活発になり,電子伝達系に含まれるフラビン蛋白が酸化型になる.フラビン蛋白は,青色励起光を照射すると酸化型のみ緑色蛍光を発するという性質を持つ.従って神経活動亢進に伴う緑色蛍光上昇を記録することで神経活動を可視化することができる.実験は8-10週齢のC57BL/6マウスの雄を用いて行った.まず体性感覚野の皮質だけのスライスを作成し,神経活動がフラビン蛋白蛍光の増強として可視化できることを示した.刺激電極はバレル野のIV層に置き,連発パルス刺激を用いて神経活動を起こした.次に視床と一次体性感覚野を含むスライスを作成し,視床の連発パルス刺激によって亢進させた皮質神経活動をフラビン蛋白蛍光の増強反応として可視化した.1辺がマウスのバレル構造の直径に相当する250μmのウィンドウを設定し,定量的な評価を行った.またフラビン蛋白蛍光応答が見られた部位に記録電極を刺入し,視床刺激による皮質反応の電場電位も記録した.刺激強度を100μAから500μAまで変化させるとフラビン蛋白蛍光応答も電場電位応答も刺激強度に良く相関した変化を示した.さらにグルタミン酸受容体の阻害剤を用いることで,この神経活動が抑えられることを確認した.以上からマウス脳スライス標本を用いると,視床からの感覚入力による皮質応答を選択的に可視化できることが判った.}, pages = {440--450}, title = {マウス体性感覚野スライス標本における視床刺激によるフラビン蛋白蛍光応答}, volume = {120}, year = {2006} }