@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00011981, author = {加瀬, 義夫 and 佐藤, 和子 and 竹田, 秀一 and 佐々木, 博}, issue = {10}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Oct}, note = {外科領域で繁用されている大建中湯を中心に基礎および臨床試験での研究成果について文献的考察を加える.また,上部消化管疾患を適用症とする六君子湯についても研究論文の一端を紹介する.大建中湯は中国の古典である「金匱要略」を出典とし,山椒,乾姜,人参,膠飴(コウイ)より構成され,「腹が冷えて痛み,腹部膨満感のあるもの」を効能・効果としている.大建中湯は1990年代中頃より,外科手術後の合併症である術後腸管通過障害(イレウス)に対する新しい薬物療法として注目されてきた.本処方は開腹術後のイレウスの予防や再発防止を目的に使用され,その臨床成績に関しても国際誌に報告されるようになってきている.近年では,術後早期からの投与により早期経口摂取の再開を可能とするとの報告もあり,クリニカルパスにも本薬剤が導入され始めている.基礎研究に関しても,同時期より多くの研究成果が国内外の専門誌に掲載されている.大建中湯は腸管運動亢進作用を有し,その作用にはセロトニン受容体を介したコリン作動性神経系の活性化と知覚神経系の活性化の関与が示唆されている.これら基礎研究の進展により,大建中湯のイレウス改善効果と腸管運動亢進作用との関連が明確になってきている.8種の生薬から構成される六君子湯は胃腸機能が低下して,食欲不振や心窩部の膨満感を訴える場合に適用される漢方製剤である.六君子湯の薬理作用として消化管運動充進作用や胃粘膜保護作用などが報告されており,上腹部不定愁訴に有効とされている.基礎研究では,六君子湯が消化管運動賦活作用のみならず胃受容機能改善作用も有することが報告されており,新たな研究成果が蓄積されている.この様に,1990年代から漢方製剤の有効性に関する基礎および臨床研究の集積が急速に進んでおり,今後の更なる研究が期待されているのである.}, pages = {544--548}, title = {1 漢方製剤の文献的な考察(第613回新潟医学会,外科系領域における漢方治療の現況)}, volume = {120}, year = {2006} }