@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00011928, author = {真木山, 八城}, issue = {12}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Dec}, note = {【背景】心筋梗塞などの虚血性心疾患に対する治療は,バルーンやステントを用いて冠動脈狭窄部をカテーテル的に拡張するインターベンション治療の普及によって大きく進歩した.とはいえ少なからぬ患者では術中に起こる狭窄部血管内皮障害が原因で術後に血管内膜肥厚が起こり,結果として冠動脈再狭窄が出現し,予後改善の妨げとなっている.慢性骨髄性白血病の新薬として開発されたImatinib Mesilateは,ablやbcr/ablのチロシンキナーゼ(TK)シグナルを阻害することで慢性骨髄性白血病やPh陽性急性リンパ性白血病に有効であり,またkitのTKを阻害することで消化管間質腫瘍(GIST)に有効であるが,本剤が阻害する3つめの分子である血小板由来増殖因子(PDGF)の受容体(PDGFR)は血管平滑筋細胞に強く発現していることから,冠動脈再狭窄の予防薬として有効であると推測した.これを検討することを目的として培養血管平滑筋細胞を用いた細胞不連続性の増殖におよぼす効果を調べ,さらにラットの頸動脈バルーン障害モデルを用いたImatinib Mesilateのin vivo投与実験を行った.【方法と結果】血管平滑筋の平面培養では,増殖中の細胞はhomophilicな接着因子であるcoxsackievirus and adenovirus receptor (CAR)を強く発現し,細胞が平面の全体を覆うとともにCARの発現量が減少し増殖が終止した.スクラッチにより細胞平面に傷を付けると,傷の周囲の細胞にCARが強発現しつつ増殖を開始した.このことから,細胞の連続性が増殖シグナルに介入すること,またCAR陽性細胞同士のhomophilicな接着が細胞の増殖を負に制御している可能性が推測された.ラットの頸動脈をバルーン付きカテーテルで障害すると,血管平滑筋の中膜から内膜への遊走に引き続いてCARの強発現とともに強い増殖が誘導されるが,Imatinib Mesilateの経口投与によって内膜肥厚が用量依存性に抑制された.このことから,体内においては障害血管内腔側に接着した血小板から放出されるPDGFによる遊走・増殖シグナルをImatinib Mesilateがブロックすることがわかった.【結語】Imatinib Mesilateの投与によりインターベンション治療後の冠動脈再狭窄を予防できる可能性が示された.}, pages = {684--692}, title = {血管平滑筋の増殖制御とImatinib Mesilateによる増殖抑制作用 : 冠動脈再狭窄予防への応用の可能性}, volume = {120}, year = {2006} }