@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00011895, author = {古俣, 修}, issue = {1}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Jan}, note = {【はじめに】我々は,厚生労働省の感染症サーベイランスからのインフルエンザ患者情報を基に,地理情報システム(geographic information system,GIS)を用い流行伝播状況を解析してきた.本研究は,1999年のサーベランス定点の定点数増加と内科定点の新設等の大幅な変更により患者報告数や年齢構成等が変化すると考えられ,これがインフルエンザの空間的疫学解析にどのような影響を与えたかを検討した.【方法】全国のインフルエンザ患者情報,新潟の定点別のインフルエンザ患者情報を用いた.前者の患者情報を基に,ArcViewを用いたGIS解析により流行伝播状況を解析した.患者発生動向は,県毎の流行ピーク週移動を解析し,流行の経時変化は全国の週別と定点当たりの患者報告数の5週移動平均値を用いた.伝播解析には,県内報告数のピーク値平均値,ピーク値の半数を超えた週からピーク値に達した週までの週数(県内ピーク到達期間平均値),46都道府県毎の流行ピーク週が最も早かった県から最も遅かった県の週数の差(全国伝播期間)の3パラメーターを用い,各2つのパラメーターの相関分析を行った.【結果】定点改正によっても15歳以上の患者割合の顕著な増加は見られなかった.新潟県の内科定点からの平均患者報告数は小児科定点より有意に少なく,1/2から1/4程度であった.県別のインフルエンザピークは主に西日本から北上し,ウイルス株の抗原性の変異と一致して2002/2003,2004/2005シーズンで大きな流行がみられ,1999/2000,2003/2004,2004/2005シーズンに速い流行伝播形式が示された.3つのパラメーターにおいて,県内及び全国の流行伝播期間とは有意な相関があるが,県内報告数のピーク値とは有意な相関は見られなかった.【考察】定点変更趣旨である成人患者報告割合の顕著な増加はみられなかった.インフルエンザ流行の全国の伝播様式と流行伝播速度,流行の程度と抗原性の変異との関係が今回も継続して確認された.しかし定点変更後は,流行の程度と国内と県内の流行伝播速度の相関は見られなくなった.これは,内科定点からの患者数の少なさによる全体の定点あたりの患者数減少への影響や,迅速診断法導入による患者報告の数と質に変化が生じた影響などが要因として考えられるが,今後の更なる検証が必要と思われた.【結語】インフルエンザ流行の空間解析へのGIS解析の有用性が示されたが,定点変更による継続した流行疫学解析への影響とその要因が初めて明確になった.今後は,インフルエンザ患者報告を巡る様々な要因を考慮した流行解析が必要と思われた.}, pages = {16--24}, title = {サーベイランス定点改正後のインフルエンザ感染の空間的疫学解析}, volume = {121}, year = {2007} }