@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00011208, author = {倉崎, 桃里}, issue = {6}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Jun}, note = {【背景】カルシニューリン阻害薬(calcineurin inhibitor:CNI)であるCyclosporin A(CsA)とTacrolimus(FK506)は,臓器移植に対する拒絶予防や同種造血幹細胞移植(allo-HSCT)後のgraft-versus-host disease(GVHD)に対する予防・治療における薬剤として重要な役割を果たしており,主にT細胞のサイトカイン産生を阻害することでその免疫抑制効果が発揮される.近年,特に臓器移植の分野においてはCNIの薬物体内動態や薬効指標の研究が進んできているが,allo-HSCTの分野においては,CNIの使用が標準化しているものの,その投与方法には施設問差があり,最適な投与方法が確立されていない.今回我々は,CsA,FK506それぞれの薬剤のallo-HSCTにおける至適投与法を考案する上で重要なサイトカイン産生抑制効果の特性を明らかにするために,フローサイトメトリーを用いて細胞内サイトカイン陽性細胞を検出し,in vitroにおけるCNIのサイトカイン産生抑制効果について検討した.【方法】健常人末梢血単核球(MNC)を分離し,Phorbor12-Myristate13-Acetate,ionomycin,brefeldinA存在下に37℃,4時間共培養後,MNCの表面抗原(CD4,CD8)を染色し,固定・膜透過処理を行った後,細胞内サイトカイン(IFN-γ,IL-2,IL-4)の染色を行い,フローサイトメトリーを用いて,CD4・CD8リンパ球分画による細胞内サイトカイン陽性T細胞の割合を測定・解析した.この方法を用いてCNI暴露とサイトカイン陽性T細胞の割合,CNI暴露解除後のサイトカイン陽性T細胞の回復,またCD3/CD28beads刺激により誘導した活性化T細胞を用いて,CNIが活性化T細胞へ及ぼす影響について検討した.【結果】CNI暴露後のサイトカイン陽性T細胞の非暴露T細胞との相対的割合は,CsAでは1-100ng/mlの濃度で濃度依存的に減少するが,FK506では1-10ng/mlとCsAに比し,より低濃度かつ狭い濃度域で急激に減少した.またCsAの活性化T細胞におけるサイトカイン抑制効果は,restingT細胞における効果よりも減弱されることが確認された.一方FK506では,活性化T細胞とrestingT細胞とで抑制効果に差を認めなかった。さらに,CsA暴露解除後のIL-2産生は,暴露濃度が低い場合には回復が有意であるが,高濃度のCsAやFK506では少なくとも4時間後までは抑制効果が持続することがin vitroで確認された.【結語】今回の得られた免疫抑制の特性から,allo-HSCT臨床におけるGVHD予防におけるCNI使用法を考察すると,CsAを用いる際は,一時的に高濃度(ピーク)を作る投与方法がCsAの特性を生かした投与法ではないかと考えられ,一方FK506は,毒性との兼ね合いから24時間持続点滴による投与法は許容される投与法であることが示唆された.}, pages = {332--346}, title = {Cyclosporin AとTacrolimusのT細胞サイトカイン産生に対する抑制効果のin vitro解析}, volume = {122}, year = {2008} }