@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00011206, author = {小田, 雅人}, issue = {6}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Jun}, note = {【目的】重症下肢虚血患者に対する骨髄細胞移植による血管新生療法が広く行われているが,患者から600ccの骨髄を採取するため患者への侵襲が大きく,また治療効果も不十分であるため治療法の改善が必要である.我々はBMIによる血管新生において,移植骨髄中に含まれる赤芽球とマクロファージが主要な役割を果たしていることを報告した.そこで少量の骨髄中に含まれている造血幹細胞を増幅培養することで,血管新生作用に富む赤芽球とマクロファージの混合物を得るための培養条件を探求した.【方法と結果】1.ヒト骨髄から比重遠心法と免疫磁気ビーズ法を用いて低比重の前赤芽球/好塩基性赤芽球・中比重の多染性赤芽球・高比重の成熟赤芽球を精製し,CD34陽性細胞と比較した.ヘモグロビン合成開始前後の未熟な赤芽球で血管増殖因子群の発現が高かった.2.未熟赤芽球を増幅培養する条件について検討した.ヒト骨髄MNCをrhFlt-3L・rhSCF・rhTPOの存在下で7日間培養し,その後rhEPO・rhSCF・rhIGF-Iの存在下で7日間の培養を行う2段階の培養法が最適の条件であった.3.この方法で得られた体外増幅赤芽球の移植による血流改善効果を,マウス下肢虚血モデルの治療実験を用いて評価し,骨髄細胞移植の効果と比較した.1×10^6コの体外増幅赤芽球の移植は,1×10^6コの骨髄細胞移植より良好な血流改善効果を示し,その作用は1×10^7コの骨髄細胞移植に匹敵した.【結論】赤芽球のうち最も血管新生作用の強い細胞は,ヘモグロビン合成開始前後の未熟な赤芽球であった.このような未熟赤芽球を,少量の骨髄から体外増幅によって得る培養法を樹立した.体外増幅赤芽球の移植による血流改善効果は,従来の骨髄細胞移植より強力であった.本治療法は,本学に設置の倫理委員会および本病院に設置のIRBの承認を受け,第I/II相臨床試験を開始した.これまでに本治療法を施行した2例では,良好な結果を得ている.症例数を増やして報告する予定である.}, pages = {309--321}, title = {体外増幅自己赤芽球を用いた血管再生治療に関する基礎的研究}, volume = {122}, year = {2008} }