@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00010714, author = {榎本, 剛彦}, issue = {6}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Jun}, note = {胃内分泌細胞腫瘍には, 低悪性度のカルチノイド, 高悪性度の内分泌細胞癌, および中間悪性度の異型カルチノイドがある. 本研究では, KIT蛋白発現と胃内分泌細胞腫瘍群の発生・進展との関連, 同蛋白が胃内分泌細胞腫瘍群の病理組織学的鑑別に有用なマーカーになりうるかどうか, を明らかにするため, カルチノイド10病変, 異型カルチノイド4病変, 内分泌細胞癌24病変を対象に, KIT蛋白発現を免疫組織学的に検討した. 通常型胃腺癌50病変 (分化型27病変, 低分化充実型23病変) を対照とした. KIT蛋白発現は内分泌細胞癌の79.2%にみられたが, カルチノイド, 異型カルチノイドでは同蛋白発現はみられなかった. 内分泌細胞癌のKIT蛋白発現頻度は, 対照とした通常型胃腺癌50例に比べ有意に高く (分化型で18.5%, 低分化充実型で4.4%), 同蛋白発現は胃内分泌細胞腫瘍の中でも高悪性度の内分泌細胞癌に特異的なものであると考えられたが, 同癌のKIT蛋白発現率は腺癌随伴の有無で異なり, 腺癌随伴内分泌細胞癌は純粋内分泌細胞癌に比べ有意に高値を示した (88.3% vs 43.0%). 前者では, 腺癌部にも内分泌細胞癌部と同様に高頻度 (70.6%, 12/17) にKIT蛋白発現があり, 随伴腺癌部と内分泌細胞癌部の同蛋白発現の有無は82.4% (14/17)が一致していた. 内分泌細胞癌ではp53蛋白過剰発現も高頻度に認められたが (75.0%), KIT蛋白発現との間に相関はなかった. 以上のことから, KIT蛋白発現はp53蛋白過剰発現・遺伝子異常とは独立した機序として, 胃内分泌細胞癌の組織発生 (先行する腺癌が内分泌細胞癌に進展する過程) に関与し, カルチノイドや異型カルチノイドの発生・進展には関与していないことが想定されたが, KIT蛋白発現陰性のカルチノイドまたは異型カルチノイドを経て, 同蛋白陰性の内分泌細胞癌に至る経路も存在しうると考えられた. KIT免疫染色を用いたKIT蛋白発現の有無は, 高悪性度の内分泌細胞癌と低悪性度のカルチノイドの病理組織学的鑑別のマーカーにはなりうるが, カルチノイドと中間悪性度である異型カルチノイドとの鑑別には, 有用性は低いと考えられた.z}, pages = {301--310}, title = {胃内分泌細胞腫瘍におけるKIT蛋白発現の検討}, volume = {123}, year = {2009} }