@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00010712, author = {長崎, 啓祐 and 菊池, 透 and 内山, 聖}, issue = {6}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Jun}, note = {小児の「食」の問題は, こころと身体に生涯にわたる問題を引き起こす. その間題の解決には, その背景もふまえた対応が必要である. 肥満小児の頻度は, 現在, 小中学生の約10%であり, 過去30年間で約3倍に増加した. 肥満に起因ないし関連する健康障害 (医学的異常) を合併する場合で, 医学的に肥満を軽減する治療の必要とする病態を肥満症といい, 肥満学会から診断基準が提示されている. 体質, 子宮内環境の不良および日常生活の問題から小児肥満が発症し, 成人と同様のメタポリックシンドロームの状態になり, 糖尿病合併症や動脈硬化が進展する. また, 過体重による運動能力の低下は, 学校生活でのQOLを低下させる. 小学生の肥満では, 副腎男性ホルモンが増加し, 骨年齢を促進させ, 最終身長を抑制する. 若年女子の肥満では, 妊娠中毒症や分娩異常も来たしやすい. そして, こどものころに身についた生活習慣は大人になっても改善しないため, 自分自身と同じように子育てをすることになり, 次世代も肥満しやすくなる. このように小児肥満では, 成人肥満よりもはるかに多くの心身の問題を抱えており, しかも次世代に確実に影響を与える. 英国のBarkerにより提唱された成人病胎児起源説は, 乳幼児期の環境も大きな要因であることがわかり, Developmental origins of adult health and disease という概念に拡大された. 多くの疫学研究から出生体重の軽い方が, メタボリックシンドロームに進展しやすいことが示唆された. 可塑性の高い発達段階では, 何らかの「契機」があると, エピジェネティック効果を起こし, 表現型を変えていく. その変更が後の環境に, マッチした場合は健康になり, ミスマッチした場合は疾病になりやすいと考えられている. 現在の日本では, 低出生体重児の頻度が増加し, 平均出生体重が低下している. すなわち, 胎児期の栄養の需要と供給のミスマッチおよび胎児期と出生後の栄養供給のミスマッチが存在すると考えられる. これは, 次健代へ健康障害を伝播しやすい状態とも考えられる. 小児期からの生活習慣病予防は, 本人の健康増進のみならず, その子ども, 孫の生活習慣病予防にもなる. 少子化の今こそ, 子どもに対する生活習慣病予防, 特に食育が重要であると考えられる.}, pages = {285--289}, title = {5 小児科学の観点から(食と健康をめぐる諸問題,第635回新潟医学会)}, volume = {123}, year = {2009} }