@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00010662, author = {小薬, 祐子}, issue = {7}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Jul}, note = {在院日数は入院診療の質や収支を反映するよい指標である. 在院目数を規定する因子を特定することは, 入院診療の質や収支の改善に有用な情報をもたらす. そこで, 本研究では, 肝細胞癌患者を対象として, 臨床所見や社会的要因が在院日数にどのように影響を与えているのかを明確にする. 2006年3月から2007年12月末までに, 新潟大学医歯学総合病院に入院し原発性肝細胞癌と確定診断された患者91例を解析の対象とした. 患者の抽出にあたっては, 肝細胞癌に対する治療を行わない検査入院患者および治療後在院期間に死亡した患者は除外した. また, 再入院している患者の場合は, 初回入院のみを対象とした. 解析に用いた因子は, 在院日数以外に, 診療科, 入院時年齢, 性別, 住所 (市内, 市外の別), 同居家族人数, 手術経験の有無, 肝切除歴の有無, 肝硬変の有無, 入院時併存症の有無, 入院時検査デ-タ6項目, stage分類, 腫瘍個数, 腫瘍径, 治療方法, 治療後の合併症の有無, の21因子である. 統計学的な解析は, 退院をイベントとする在院率曲線の有意差検定を, Logrank検定やCoxの比例ハザードモデルによる多変量解析を用いて行なった. Logrank検定による単変量解析では, 宿主因子としてstage分類 (p= 0.043), 腫瘍個数 (p= 0.028), 治療前血清アルブミン値 (p= 0.018), 治療前プロトロンビン活性値 (p< 0.001), 治療因子として治療後合併症の有無 (p= 0.001) において, 在院率曲線に有意差を認めた. 一方, 社会的因子である住所や同居家族人数では在院率曲線に有意差を認めなかった. Coxの比例ハザ-ドモデルによる多変量解析の結果, 「治療前プロトロンビン活性値93%以上」のみが在院日数の短縮に有意に関与する因子であることが示された (P< 0.001). この解析において, 治療前プロトロンビン活性値93%以上の群の76%未満の群に対するごく短期間での退院率の比 (ハザード比) は2.96であり, その95%信頼区間は (1.52, 5.75) であった. 以上の結果より, 治療前プロトロンビン活性値の改善が, 在院日数を短縮させる重要な因子であることが示唆された. 治療前プロトロンビン活性値を改善するための入院診療計画を科学的根拠に基づき, 入院前に策定することが必要となる. 今後の課題として, より多くの社会的要因や, 医療の質を反映する医師の診療形態の違いや病院スタッフの人的物的資源配置の違いによる在院日数への影響などについても検討が必要であろう.}, pages = {336--345}, title = {日本における肝細胞癌患者の在院日数に影響を与える臨床的因子と社会的因子の解析}, volume = {123}, year = {2009} }