@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00010594, author = {小原, 伸雅}, issue = {9}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Sep}, note = {【背景と目的】正常アルブミン尿の2型糖尿病患者では, ストークス径55Å以下の血漿蛋白質であるIgG, トランスフェリン, セルロプラスミン, オロソムコイドの尿中排泄が, 平行して上昇していることが報告されている. これら血漿蛋白質の尿中排泄増加は, 微量アルブミン尿への進展予測因子であることが示されており臨床的に重要である. 一方, 高血圧は, 糖尿病腎症の発症, 進展にとっての重要な促進因子であることが明らかとなっているが, その機序については明確になっていない.本研究では, 正常アルブミン尿の2型糖尿病患者の尿中IgG量と, 血糖および血圧との関係を調べた. 【対象・方法】 対象は, 正常血圧で正常アルブミン尿の2型糖尿病患者35名 (DM+NT群), 高血圧を合併する正常アルブミン尿の2型糖尿病患者35名 (DM+HT群), および対照健常者55名である. 降圧薬を使用している, もしくは使用したことがあるものは, 対象から除いた. 早朝第一尿中のIgG, アルブミン, α2-マクログロブリン排泄量, NAG活性を測定した. 【結果】 糖尿病患者のHbA1cは, DM+NT群7.3± 1.0%, DM+HT群7.3±0.78%で健常者に比べ有意に高い (それぞれp <0.01, p DM+NT群> 健常者の順で有意に上昇していた. 尿中NAG活性は, 糖尿病患者で健常者に比べ有意に上昇を認めたが, DM+NT群とDM+HT群との間に有意差を認めなかった. 尿中アルブミン, α2-マクログロブリン排泄量は, 3群間で有意な差を認めなかった. 2) 糖尿病患者における尿蛋白排泄量を目的変数とする重回帰分析では, 尿中IgG排泄量は, 外来平均血圧およびHbA1cとの間に正相関を認めた (それぞれ偏相関係数 (B) =0.510, P <0.001, B =0.390, P =0.002). 尿中NAG活性は, HbA1cとの間に弱い相関を認めた (B =0.370, P =0.003) が, 外来平均血圧との間に相関はなかった (B =0.167, P =0.194). 【考察】 正常アルブミン尿の2型糖尿病患者において, 尿中IgG排泄量は血糖の上昇と全身血圧の上昇のある患者ほど増加していた. この成績と55Å以下のサイズの血漿蛋白質の尿中増加が腎症の進行を予知するとする報告をあわせて考えると, 糖尿病早期から, 血糖管理と共に血圧管理が重要であることが示唆された. さらに, 全身の血圧が高い患者が血圧正常の患者より尿中IgG排泄が増加していたことは, 全身血圧が糸球体に伝達されたことを示唆し, 腎臓の自動調節能の障害が起こっている可能性が考えられた.}, pages = {455--464}, title = {正常アルブミン尿の2型糖尿病患者における尿中IgG排泄量と全身血圧との関係}, volume = {123}, year = {2009} }