@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00010557, author = {森山, 雅人}, issue = {11}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Nov}, note = {【目的】 サイトカインには造血因子のように血流を介して遠隔臓器に作用するものとPDGF家系分子やケモカインのようにヘパリン親和性モチーフを介して分泌局所に濃度勾配を形成して作用するものがある. エリスロポエチン (EPO) は赤血球系造血因子として発見されたが, 血管内皮・心筋・中枢神経などにも作用し細胞保護的に働く. エリスロポエチンにヘパリン親和性モチーフを導入することで組織外マトリックスおよび血管内皮への特異的結合性を与え, EPOの細胞保護作用に有用な特性を付加することを目指した. 【方法と結果】 ヒトEPOのcDNAの3'-末端に合成プライマーを用いてヒトPLGFのヘパリン親和性モチーフ cDNAを追加し, 制限酵素を用いてバキュロウイルスベクターに組み込んだ. 昆虫細胞発現系を用いた無血清培養によりヘパリン親和性EPO (rhHEPO) を含む培養上清を大量に収穫した. 限外濾過により濃縮し, ヘパリンセファロースカラムを用いてアフィニティー精製した. EPO依存性白血病細胞株に対するrhHEPOの増殖活性はrhEPOとほぼ同等であった. 正常マウスに筋肉内授与して造血作用を観察したところ, rhEPOでは1週間後にヘモグロビンのピークを迎えたが, rhHEPOでは2週間目でもヘモグロビンの増加を観察した. マウス下肢虚血モデルの治療実験ではrhHEPO筋肉内投与により血流の改善が抑制された. 【結論】 組織内に投与したrhHEPOは組織外マトリックスに貯蔵され徐々に血中へ放出されることで長期に作用する造血活性を示したと推測された. また優先的に組織外マトリックスのヘパリン様物質のスルフォ基を占拠することでVEGF, FGF-2などの血管増殖因子の組織内蓄積と濃度勾配の形成を阻害し血管新生阻害活性を示したと推測された. rhEPOには腫瘍血管新生作用を介した腫瘍増殖作用が懸念されているが, rhHEPOは腫瘍の増殖を伴わない長期作用性EP0製剤として臨床応用できる可能性が示唆された.}, pages = {563--572}, title = {ヘパリン結合性エリスロポエチンの作成とその生物学的特性の検討}, volume = {123}, year = {2009} }