@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00010556, author = {金澤, 雅人}, issue = {11}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Nov}, note = {TARDNA結合蛋白-43 (TDP-43) は, ユビキチン陽性封入体を伴う前頭側頭葉変性症 (FTLD-U) や筋萎縮性側索硬化症 (ALS) における神経細胞やグリア細胞の細胞質内・核内封入体の主要な構成成分として同定されている. また FTLD-Uや ALSの患者剖検脳・脊髄におけるTDP-43蛋白は, 高度にリン酸化されることや, 核局在シグナルを欠くC末端断片 (25kDa) に切断され, さらに不溶化されていることも示されている. これらの結果から, TDP-43は神経の機能維持や生存に重要な役割を果たすものと考えられる. 本研究では局所脳虚血におけるTDP-43の役割を明らかにするため, 虚血後のラット脳を用いてTDP-43の発現を経時的に解析した. 動物モデルとして塞栓糸による90分間の一過性中大脳動脈閉塞を行った. 再潅流24時間後, 全長型TDP-43 (43kDa) は, 虚血皮質においてsham手術群と比べ減少していたが (P <0.01), 不溶化やリン酸化は認めなかった. また虚血皮質では, 可溶性C末端断片 (25kDa) はsham手術群と比べて, 著増していた (P <0.01). 25kDaC末端断片は細胞質分画にのみ認めた. 免疫組織学的解析にて, sham手術群ではTDP-43は神経細胞の核に局在していたのに対し, 虚血再潅流の24時間後には, TDP-43は細胞質にも局在が見られるようになった. caspase-3選択的阻害剤は, 虚血再潅流の24時間後におけるTDP-43の限定分解を抑制した (P <0.01). さらに, 虚血中の低体温療法 (30℃)は, 虚血後のTDP-43の限定分解を抑制し (P <0.01), 細胞質における発現を抑制した. 以上より, TDP-43は虚血後に caspase-3依存性に限定分解を受け, 細胞内局在も変化することが判明した. しかし, 変性疾患で見られるようなリン酸化や不溶化は見られなかった. 虚血に伴いTDP-43の限定分解や局在変化による機能喪失が生じた可能性が示唆されるが, TDP-43の神経細胞における機能の解明が今後重要である.}, pages = {552--562}, title = {ラット局所脳虚血モデルにおける caspase-3依存性 TARDNA結合蛋白-43の限定分解}, volume = {123}, year = {2009} }