@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00010446, author = {齊藤, 直樹}, issue = {3}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Mar}, note = {【目的】 肝臓で産生される急性期陰性物質であるfetuin-A/α2-Heremans Schmid Glycoprotein (以下fetuin-A/AHSGと略) は, その特性から周術期マーカーとしての役割が期待されるが, 手術侵襲直後の変動に関するデータはない. 本稿では侵襲の大きい食道手術, 肝移植手術レシピエントについて, 周術期におけるその動態を検討した. 【方法】 食道癌の根治手術を受けた患者15人, 及び生体部分肝移植手術レシピエント患者16人を対象とした. 手術日の朝に, 術前コントロールの血液検体を採取し, その後, 術後1, 2, 4, 7, 14日目にも朝6時に血液検体を採取した. 一定の検体数が集まったところで抗ヒトAHSGポリクローナル抗体を用いたサンドウィッチ免疫酵素分析法でfetuin-A/AHSG濃度を測定した. 【結果】 食道癌患者ではfetuin-A/AHSGの術前コントロール値は347.5±97.0μg/mlで, 術後1, 2日目で有意な低値を示した後, 術後4日目以降は術前コントロール値との有意差を認めず,術後1, 2, 4日目に比較して術後14日目では有意な高値を示した. 肝移植レシピエントでは, 術前コントロール値が368.6±120.3μg/mlで, 術後1日目以降は術後14日目まで術前値と比べ有意に低値で, しかも回復傾向を示さず, 食道癌術後患者とは明らかに異なる傾向を示した. 肝移植レシピエントで術前MELD-Score≧20以上且つ入室時APACHE-II≧15以上を満たす重症群では術前コントロール値が284.6±65.0μg/mlに対してそれ以外の軽症群では術前コントロール値が434.0±114.0μg/mlであり, この両者を比較すると, 重症群では術前コントロール値が有意に低かった (p<0.01). 肝移植レシピエントについて, 経過観察期間 (全例15ヶ月以上) 内に死亡した予後不良群は, それ以降も生存した予後良好群に比べて, 術後14日時点での術前コントロール値に対する血中fetuin-A/AHSG濃度の低下率が有意に大きかった (p<0.05). また, 術中の出血10L以上の出血大量群と10L未満の出血少量群の2群に分けての検討でも, 出血大量群では, 出血少量群と比べて, 術後14日時点での術前コントロール値に対するfetuin-A/AHSG濃度の低下率が有意に大きかった(p<0.05). 【結論】 食道手術/肝移植手術では, 共に術直後に血中fetuin-A/AHSG濃度は一旦低下して急性期陰性物質としての振る舞いを示すが, その後の回復過程では異なる動態を呈した. 肝移植レシピエントでは, 術前fetuin-A/AHSG濃度は術前の重症度に関連するが, 予後予測としては, むしろ術後の低下率が有用である可能性が示唆された.}, pages = {149--160}, title = {血中fetuin-A/AHSG濃度の周術期における変動, 及び, 肝移植レシピエントの術後予後評価への応用の可能性}, volume = {124}, year = {2010} }