@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00010419, author = {根本, 妙}, issue = {4}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Apr}, note = {骨肉腫は, 小児や若年成人の原発性骨腫瘍において最も頻度の高い悪性腫瘍である. その治療成績は1980年以降の多剤併用化学療法, 集学的治療の発達により著しく向Lしたが, 現在に至り生存率の向上は頭打ちとなっている. さらに, 転移性骨肉腫, 特に初発時に多発肺転移を有するハイリスク症例の治療成績は未だに不良であり, 新たな治療の開発が急務である. バルプロ酸は数十年前から実臨床で広く用いられており, 安全性の認められている薬剤であるが, 本剤がヒストン脱アセチル化酵素 (HDAC) 阻害活性を持つことが近年に報告された. さらに, HDAC阻害薬が乳がん, 卵巣癌, 脳腫瘍などの種々のがん細胞に対して抗腫瘍効果を発揮することが示されており, 欧米では一部の腫瘍に対して臨床試験も開始されている. 本研究では, 骨肉腫細胞に対してバルプロ酸単独の抗腫瘍効果と既存の抗がん剤との併用効果について検討した. 3種類の骨肉腫細胞株に対して, バルプロ酸は濃度依存性に抗腫瘍効果を示し, ヒストンのアセチル化, 細胞周期調節に関わる遺伝子の発現変化が認められた. さらに, 骨肉腫の主要な治療薬であるアドリアマイシンとシスプラチンの抗腫瘍効果が, 臨床的に安全で容易に達成可能な濃度のバルプロ酸によって相乗的に増強されることが示された. 以上の結果より, バルプロ酸と既存の薬剤との併用がハイリスク骨肉腫患者の新規の治療戦略となりうる可能性が示された.}, pages = {192--202}, title = {バルプロ酸による骨肉腫細胞に対する化学療法薬の抗腫瘍効果の増強}, volume = {124}, year = {2010} }