@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00010360, author = {高堂, 裕平}, issue = {7}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Jul}, note = {【背景】多系統萎縮症 (multiple system atrophy, MSA) は, 小脳性運動失調, パーキンソン症状, 自律神経症状を呈し, いまだ有効な根本治療法のない神経難病の一つである. MSA患者の診療においては, 臨床症状の重症度の尺度として, Unified Multiple System Atrophy Rating Scale (UMSARS) が頻用されている. UMSARSは, 臨床症状の有用な評価尺度となるが, 治療法を開発するためには, 病状の進行をより詳細に評価できるバイオマーカーが必要である. ^1H-Magnetic Resonance Spectroscopy (^1H-MRS) は, グリオーシスや神経細胞の消失といった病理変化を非侵襲的に評価できる手段であり, N-acetylaspartate (NAA), choline containing compounds (Cho), myo-inositol (MI) はそれぞれ神経細胞のマーカー, 細胞膜の夕ーンオーバーのマーカー, グリオーシスのマーカーと考えられている. MSAでは病態の一つとして, 病状の進行とともに広がるグリオーシスが挙げられるため, ^1H-MRSにおけるMIは病状進行の評価に有用である可能性が考えられる. しかし, MSA患者における ^1H-MRSを用いた研究は, NAA及びChoの検討が主体であり, グリオーシスに着目してMIの検討を行った報告はこれまでにない. 【目的】橋及び延髄における ^1H-MRSを用いて, グリオーシスを反映するMIが, 小脳型MSA (MSA-C) 患者における病状進行のバイオマーカーとして有用か検討する.【方法】15名のMSA-C患者 (男性9名, 女性6名; 65.4±7.8歳 (平均±SD)) と神経疾患の既往のない15名の健常成人 (男性8名, 女性7名; 65.7±7.5歳) を対象に, 橋及び延髄におけるシングルボクセル^1H-MRSを撮像した. 得られたスペクトルからMI, tNAA (NAA+N-acetylaspartylglutamate), tCho (choline containing compounds) のCrに対する比を計算し, MSA-C患者群と健常対照群の値を比較検討した. また, MSA-C患者群においては, 代謝物のCr比と罹病期間との相関について検討した. なお, 本研究は新潟大学倫理委員会の承認のもと, 書面によるインフォームドコンセントを得て施行した. 【結果】MSA-C患者における橋及び延髄のMI/Cr比は, 健常対照に比べて有意に上昇しており, MSA-C患者における橋及び延髄のtNAA/Cr比, tCho/Cr比は健常対照に比べて有意に低下していた. また, MSA-Cにおける橋及び延髄のMI/Cr比は罹病期間と正の相関を認めた. 【考察】橋及び延髄での ^1H-MRSにより, MSA-Cにおけるグリオーシス, 神経細胞障害といった病理変化を推測することが可能であった. ^1H-MRSによる橋及び延髄のMI/Cr比は, 罹病期間と正の相関を示し, 病状進行のバイオマーカーとして, 臨床の場面において利用できる可能性が示唆された.}, pages = {377--385}, title = {3.0T^1H-Magnetic Resonance Spectroscopyを用いた多系統萎縮症における脳幹部 myo-inositol の解析}, volume = {124}, year = {2010} }