@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00010304, author = {若林, 貴志}, issue = {9}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Sep}, note = {【背景と目的】生体吸収性材料を用いた心血管グラフトはグラフトの吸収とともに自己組織によって置換されるため, 既存の非吸収性グラフトで見られる不具合 (血栓閉塞, 感染, 成長能の欠如) を克服できる可能性がある. 本実験ではラット右室流出路再建モデルを用いて, エレクトロスピニング法で作製したポリ乳酸-ポリグリコール酸共重合体 (PLGA) ポリマーファイバーグラフトの組織適合性および移植後の組織の耐圧性につき検討した. 【方法】エレクトロスピニング法によりPLGA ポリマーファイバー不織布を紡糸しシート状のグラフトを作製した. ラット右室流出路に全層性の欠損を作製し同部を直径7mmの円形にトリミングしたグラフトを用いて再建した. 比較対照として延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン (ePTFE) 製のグラフトを用いて同様の再建を行った. グラフト植え込み後の組織を1, 3, 6ヶ月後に取り出し, 形態の評価, 病理組織学的検討および耐圧試験を行った. 【結果】PLGA群, ePTFE群ともに, いずれの時点においてもグラフト植え込み部分の瘤化や血栓形成はなかった. 経時的に PLGA は分解され術後6ヶ月でほぼ完全に繊維性組織に置換された. PLGA ポリマーファイバー周囲には植え込み後早期よりリンパ球等の炎症細胞の浸潤を認めたが, PLGAの分解とともに炎症細胞は消退した. 心腔内面は両群とも術後1ケ月より von Willebrand factor 陽性の一層の細胞に覆われていた. 術後1ヶ月時よりePTFE群ではグラフト部分への石灰沈着を認め経時的に増加する傾向がみられたが, PLGA群では石灰沈着の所見は認めなかった. PLGA植え込み後組織の破裂直前最大圧 (Burst Pressure) は経時的に有意に上昇し (p =0.010), 各時点問の比較では1ヶ月と6ヶ月の値の間に有意差を認めた (p =0.040). また, 正常右室壁の Burst Pressure と比べ常に有意に高かった (1ヶ月: p =0.029, 3ヶ月: p =0.029, 6ヶ月: p =0.021). 【結論】エレクトロスピニング法で作製した生体吸収性ポリマーファイバーグラフトは植え込み後6ヶ月で完全に分解されて自己組織に置換された. 分解後の組織に炎症の遷延や石灰化の所見はみられなかった. 耐圧性は正常右室壁を上回り, 十分な強度を有することが示された.}, pages = {492--500}, title = {ラット右室流出路再建における生体吸収性心血管グラフトの有用性についての検討}, volume = {124}, year = {2010} }