@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00010303, author = {高山, 亜美}, issue = {9}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Sep}, note = {【目的】急性心筋梗塞の予後は経皮冠動脈インターベンション治療の標準化によって改善したが, これに代わって慢性心不全の治療があらたな目標となった. 赤血球造血因子のエリスロポエチン (EPO) には造血器以外の臓器・組織に対する生存/保護作用があることが明らかになってきた. 我々はこれまで各種EPO誘導体の生物作用の違いに関する一連の研究をおこなってきたが, 今回はラット心筋梗塞再環流モデルを用いてEPOとアシアロEPO (AEPO) の心筋保護効果を比較した. 【方法と結果】ラット冠動脈左前下降枝を30分間結紮することで心筋梗塞再環流モデルを作成した. 500IU/kg/day のEPOまたはAEPOまたはメディウムの持続静脈内投与を行い, 28日後の心機能, 組織染色, および心臓でのmRNA発現を比較した. 左室駆出率 (%) はコントロール: 42.6±2.3, rhEPO投与群: 53.2±5.4, rhAEPO投等群: 60.2±5.2であった. また心筋梗塞面積比率 (%) はコントロール: 8.24±0.88, rhEPO投与群: 7.68±0.53, rhAEPO投与群: 3.17±0.68 (p <0.01) であった. rhEPO投与による心筋梗塞および心機能の改善効果はわずかであったが, rhAEPOによる改善効果は顕著であった. AEPO群では心筋の抗アポトーシス因子Bcl-2および心筋保護因子eNOSの強い発現が見られた. EPO投与群では多血症による心負荷増大に起因すると思われるIL-6およびBNPの発現増強が見られたが, AEPO投与では多血症の誘発はなかった. 心臓におけるEPOを介した生理的なパラクリンのシステムを推測する目的で, 正常ヒト細胞を用いたmRNA発現解析を行った. 冠動脈血管内皮および同平滑筋にEPOの発現が見られ, 心筋に対する恒常的な細胞保護作用に関与している可能性が推測された. 【結論】AEPOは多血症を誘発することなく, 強い心筋保護作用を持つことが示された. 本EPO誘導体はおそらく生理的な生体内自然物の1つであり, 安全に臨床応用される可能性がある. また心臓では冠動脈血管内皮および同平滑筋の発現するEPOを介した, 心筋保護の生理的パラクリンが存在することが示唆された.}, pages = {479--491}, title = {ラット心筋梗塞再環流モデルに対するアシアロエリスロポエチン投与の有効性}, volume = {124}, year = {2010} }