@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00010279, author = {羽尾, 和久}, issue = {10}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Oct}, note = {組織傷害によって放出される内因性物質は, いわゆる”デンジャーシグナル”として炎症を引き起こすことが知られるようになり, 近年, その種類や炎症発症機序が少しずつ明らかになってきた. 一方, 最近我々は, DNA microarray の網羅的解析から, 心筋炎組織中に, 鉄の運搬や代謝に関連する蛋白発現が急激に上昇することを見いだした. これらのことから, 我々は, 何らかの鉄含有物質が, 内因性リガンドとして, 心臓の炎症を増強させるのではないかとの仮説を立てた. そこで今回, 生体に広範囲に分布し, 特に心臓中にも多く存在する鉄含有物質であるヘムが, 心臓在住細胞に対して, どのような影響を及ぼすかを検討した. 正常ラット心臓からコラゲナーゼ処理後分離した細胞を2-3週間培養し, フリーのヘム (ヘミン) を添加し, 細胞内活性酸素種 (ROS) および炎症促進蛋白の発現を測定した. また, その培養細胞の特徴を免疫組織およびフローサイトメトリーにて検討した後, どの細胞が主に反応するかを調べるため, さらに分離精製した培養細胞, 各種初代培養細胞およびマクロファージの細胞株で, 同様に検討した. さらに, 細胞内でのヘミンの作用部位を調べるため, ROS阻害薬, プロテアーゼ阻害薬による影響を検討した. フリーのヘムによって, 心臓在住培養細胞内にはROSが増加し, 様々な炎症促進蛋白が強力に誘導された. これらの発現誘導は, 主として在住マクロファージがフリーのヘムに反応することによって起こり, 線維芽細胞や平滑筋細胞とクロストークすることによって増強されると考えられた. また炎症促進蛋白発現増強は, ROSの阻害剤ではなく, 多くがプロテアーゼ阻害薬によって抑制された. フリーのヘムは, 心臓の炎症を引き起こす強力な内因性リガンドになりうることが示唆され, 心筋傷害や心リモデリングに多大な影響を及ぼす可能性が考えられた.}, pages = {535--550}, title = {ラット心臓在住細胞に対するフリーのヘムによる炎症促進蛋白発現の誘導}, volume = {124}, year = {2010} }