@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00010259, author = {佐藤, 延子}, issue = {11}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Nov}, note = {メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (methicillin-resistant Staphylococcus aureus: MRSA) が, 医療関連感染の主要な原因菌として1980年代から登場し, 増加傾向にある. 医療施設内においてMRSAが多発するのは, 集中治療室 (Intensive Care Unit: ICU) に次いで救命救急部門であり,特に救命救急センターは外部から病院への侵入門戸となる事から, センターにおけるMRSAのキャリア発生防止対策は重要な課題である. しかし, 救命救急センターに搬送される患者のMRSAの疫学的解析の報告は限られている. なお, MRSAの検索法として, 各種抗菌薬の感受性試験, Coagulase タイピング, Ribotyiping, パルスフィールドゲル電気泳動 (pulsed field gel electrophoresis PFGE) タイピングに加えて, 薬剤耐性の高度化に関する遺伝子の検出など,抗菌薬活性能や耐性遺伝子との比較報告がされている^<1)-4)>. 本研究において, 新設された救命救急センター開所直後からのMRSA発生を追跡し, 当センターでのMRSA発生動向の疫学解析として患者情報, 細菌検査成績を活用した薬剤感受性成績, 菌株のPFGEによるタイピング, さらにはMRSA発生の経時推移と発生病床の関連を, computer assisted drafting(CAD)データの病床マ、ソプを作成しての地理情報システム(geographieaHnformationsystem: GIS)による空間疫学解析も行った. 新設された救命救急センター開所直後の2006年10月から2008年5月までの期間に, 入院患者49例からMRSAが分離された. 調査期間の救命救急センターのMRSAの保菌率は0.3%から2.14%に推移し (平均1.03%), 2007年の冬季に増加がみられ, 熱傷患者に起因していることが特徴とされた. また病院全体では春季に増加しており, この時期にスタッフの移動や新人の配属, 実習生の教育開始などが集中し, 院内感染への対応が不十分な時期とも一致していた. PFGEを基準とし, 耐性機構が異なり幅広い最小発育阻止濃度 (Minimum Inhibitory Concentration MIC) を示す minocycline (MINO), gentamicin (GM), fosfomycin (FOM), levofloxacin (LVFX) の4薬剤の感受性タイプの一致は75.5%であり, 感受性パターンによる識別の有用性が示された. 救命救急センター開所当初に発生したMRSAはPFGEタイプC4であり, これらの患者8例中5例が熱傷患者であり, 環境の定着菌を取り込みセンターに最初に定着した菌の可能性が高く, 環境の改善による除去が必要と思われた. MRSAの院内感染をCADデータ上でGISとしての空間解析により, MRSA発生の多い病床が特定化され, さらには特異なPFGEタイプの患者の病床が近接しあい, 初回発生から次例への発生間隔が一週間程度と短期間である事が特徴とされた. 以上, 救命救急センターにおけるMRSAの発生を検討し, 2007年の冬季とセンター内での治療・看護の集中病床での多発が明らかになった. さらには, 疫学手法として, PFGE法ではなく耐性機序の異なる4薬剤の感受性パターンによる解析と, GISシステムとCADデータの一体化による病床毎の時系列発生監視法の有用性が示された.}, pages = {587--600}, title = {救命救急センターにおけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (methicillin-resistant Staphylococcus aureus: MRSA) 検出者の細菌型別とGISによる疫学的研究}, volume = {124}, year = {2010} }