@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00010176, author = {古川, 達雄}, issue = {2}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Feb}, note = {多くの造血器悪性腫瘍では, その発症にチロシンキナーゼの異常が関与している. BCR-ABL異常キメラ遺伝子が原因で発症する慢性骨髄性白血病 (CML) におけるイマチニブ単独治療は, CMLの治療戦略に大きな変革をもたらした. CMLでは, イマチニブにより約80%以上の症例で安定した細胞遺伝学的寛解の維持が得られる. 効果不良症例の予後因子としては, BCR-ABLキメラ遺伝子陽性クローンの減少率 (特に定量的遺伝子レベル) が最重要である. イマチニブ不応例では, イマチニブ結合部位を中心としたアミノ酸変異が原因として観察される. 最近第二世代のBCR-ABLキメラチロシンキナーゼ阻害剤 (ニロチニブ, ダサチニブなど) が開発され, イマチニブ不応例・不耐例に対しても臨床的効果を認め, 今後は第一選択薬としての効果も期待されている. Ph陽性急性リンパ性白血病 (ph+ALL) では, イマチニブ単独治療によるBCR-ABLキメラチロシンキナーゼ阻害だけでは, 寛解を得られる症例が極めて少なく, 多剤併用化学療法との併用が必要である. しかし従来の化学療法のみに比して, イマチニブ併用化学療法は有意に良好な寛解導入率, 寛解維持率が得られた. ただし治癒には, 同種造血幹細胞移植の併用が必要である. ダサチニブは多種類のチロシンキナーゼを阻害することから, Ph+ALLにおける治療効果が期待され, 単独療法臨床試験でもイマチニブに比して治療効果の改善が認められた. さらに化学療法との併用による効果が期待される薬剤である. 今後は新たなチロシンキナーゼをターゲットとしたチロシンキナーゼ阻害剤の登場が, 難治性造血器悪性腫瘍治療にさらなる変革をもたらすことを期待する.}, pages = {64--68}, title = {3 チロシンキナーゼ阻害剤を用いた白血病の治療(血液疾患の治療をめぐる進歩,第658回新潟医学会)}, volume = {125}, year = {2011} }