@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00010103, author = {今井, 英一}, issue = {3}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Mar}, note = {【目的】術前左室低駆出率 (EF) は心臓手術後変力作用薬補助の必要性を予測する因子として知られている. しかし, EFはある状況下では誤解釈を招き, また計測自体が困難なことすらある. 組織ドプラ法 (TDI) は, 心筋速度を計測する比較的新しいエコー手法である. 本研究では, 術前EFと比較し, TDI測定値が心臓手術後変力作用薬補助の必要性をより正確に予測し得るかを検討した. 【方法】成人心臓手術患者を対象とし, ペースメーカー調律, 非正常洞調律患者は除外され, 48名が本研究に含まれた. 術前EFは直近の経胸壁心エコーによる計測値を使用した. 術中TDI測定は経食道心エコーを用いて, 胸骨正中切開前の血行動態安定下で行った. 収縮期僧帽弁輪心筋速度 (Sm), 拡張早期僧帽弁輪心筋速度 (Em), Em・拡張後期僧帽弁輪心筋速度比 (Em/Am), 拡張早期左室流入血流速度・Em比 (E/Em) をそれぞれ計測した. 本研究の結果事象は術後12時間以上の変力作用薬補助とした. 心臓手術後変力作用薬補助の予測因子を同定するため, 術前・術中・エコーそれぞれの因子を多重ロジスティック回帰分析に投入した. 【結果】3名の患者を統計解析から除外し, 残りの45名のうち12名 (26.7%) が術後12時間以上の変力作用薬補助を要した. 単変量解析で, 人工心肺 (CPB) 時間 (p <0.001), 大動脈遮断時間 (p =0.008), Sm (p =0.002) と変力作用薬補助の関連を認めた. 多重ロジスティック回帰分析では, CPB時間のみ独立予測因子と認めた (オッズ比1.015 ; 95%信頼区間 [1.004-1.025] ; p =0.004). 12時間以上の変力作用薬補助を要した12名の患者を含む, CPB時間が200分以上に及んだ25名の患者に対して統計解析を追加した. この解析で, Smのみが12時間以上の変力作用薬補助と関連を認めた (p =0.027). 【結論】術中TDI測定値であるSmは, 特にCPB時間が200分以上に及んだ患者で, 術後変力作用薬補助の高度な予測因子であった一方, 術前EFは予測因子と認められなかった. 本研究によりSmが減少し, かつCPB時間が延長した患者では, 左室EFが保たれていても術後強力な薬理学的補助を必要とする可能性が高いことが示された.}, pages = {134--141}, title = {組織ドプラ法を用いた心機能評価による心臓手術後変力作用薬補助予測の有用性}, volume = {125}, year = {2011} }