@article{oai:niigata-u.repo.nii.ac.jp:00010037, author = {浅見, 冬樹}, issue = {4}, journal = {新潟医学会雑誌, 新潟医学会雑誌}, month = {Apr}, note = {侵襲や炎症の定量的指標としては一般的にCRPが用いられているが, CRPは遅延型急性反応物質であり, 急性相反応を反映する指標として一般化され普及しているものはほとんどない. 近年好中球から分泌される抗菌物質である Lipocalin-2/neutrophil gelatinase-associated lipocalin (NGAL) が尿細管障害による急性腎障害時に上昇する報告があり, クレアチニン値よりも早期に上昇する腎障害のバイオマーカーとして注目されている. しかし, NGALは心臓からも心不全や心筋炎の発症によってNGALの産生が亢進するとの報告もあり, 腎障害以外のバイオマーカーになりうる可能性が想定される. これらのことより筆者は心臓血管手術, 呼吸器外科手術術後に血中濃度が上昇し, 術後感染, 手術侵襲や組織障害の定量的評価が可能ではないかと考え, 動物実験および当科における心臓血管, 呼吸器手術症例のNGAL血中濃度を測定し検討した. ラットの開胸手術においては対照群に比べ明らかに血中NGALの上昇が早期からみられ, ラット心臓から培養した細胞に細菌の成分であるリポポリサッカライドおよびリポタイコ酸を添加すると急激なNGALの発現亢進がみられた. また, 当科で手術を行った患者の内心臓手術, 人工心肺使用手術 (開心術群) (n =13), 非人工心肺使用血管手術 (非開心術群) (n =24), 呼吸器外科手術 (n =31) から術前, 術当日, 術後1, 3, 6日に採血し, 血中NGAL濃度を測定したところ, 術前の血中NGAL濃度はCRPやCre濃度と相関が見られ, 術後の血中NGAL濃度はCRPよりも早期に上昇がみられた. しかし, 今回検討した当科症例の上記3群間においてはNGALのL昇に有意差はなく, 腎不全をはじめ, 術後に重篤な合併症や感染症を生じた症例はなかったため, 合併症との関連は検討できなかった. 以上より, 今回の臨床症例の検討では血中NGAL値の術式による差や合併症による差を明らかにすることはできなかったものの, 心臓血管手術, 呼吸器外科手術後にCRPよりも早期に血中濃度が上昇し, 手術部位の重篤な細菌感染, 臓器障害合併症などではさらに上昇する可能性が示唆された.}, pages = {199--206}, title = {心臓血管手術・呼吸器外科手術術後バイオマーカーとしての Lipocalin-2/neutrophil gelatinase-associated lipocalin の検討}, volume = {125}, year = {2011} }